4月に調子のよかった杉内投手がなぜ、それ以降、勝てなくなったのか、なぜ菅野投手は安定した成績を残せたのか。セイバーメトリクスで分析してみる。
まずは、4月のデータから見てみる。投手の指標としてはオーソドックスなものに、K/9(平均奪三振)というのがある。
これは9回投げた(完投した)場合、何個三振をとれるかであるが、杉内投手は7.3個に対し、菅野投手8.7個である。菅野が三振をとれる投手であることがわかる。(実際、6月17日現在、菅野は8.69、奪三振数も84とリーグ上位を走る。杉内は7.98と数字を伸ばしている)
次にH/9。1試合(9回)当たりの被安打数は杉内5.71本、菅野5.4本とほとんど変わらない。ちなみにHR/9、つまり1試合当たりの被本塁打数は杉内が0.27、菅野が0.77だった。
BABIPは、本塁打以外で、打球がフェアゾーンに飛んだ時のヒットの確率。当然、低ければ低いほど投手には都合がよい。杉内0.23、菅野0.22である。
ここまで見ると、杉内、菅野に違いはない。杉内は昨年、12勝4敗、勝率7割5分で、最多勝率のタイトルを獲得しているセ・リーグを代表する投手。それに並ぶ成績を残している菅野投手の非凡な能力を物語っている。
菅野は、「ここぞという時に打たれにくい」
しかし、ここからが菅野投手のすごさの秘密を示すデータである。