2024年5月4日(土)

2024年米大統領選挙への道

2023年4月22日

「畑が違う」共和党大統領候補

 24年米大統領選挙に出馬した主要な共和党大統領候補は、トランプ前大統領、ニッキー・ヘイリー元国連大使、エイサ・ハチンソン前知事(南部アーカンソー州)、ティム・スコット上院議員(南部サウスカロライナ州)である。スコット上院議員は下院議員であったが、サウスカロライナ州で連邦上院議員が辞職したために、当時のヘイリー同州知事が彼を上院議員に任命した。この2人が、今回の共和党大統領候補指名を競うことになる。

 上記の4人に加えて、デサンティス知事とマイク・ペンス前副大統領が有力候補とみられている。

 ただし、これらの候補の「畑」が異なるのだ(図表2)。トランプ前大統領、ヘイリー元国連大使、スコット上院議員、デサンティス知事並びにペンス前副大統領は、トランプ支持者、即ちMAGA(マガ Make America Great Again 米国を再び偉大に)の票を狙うトランプ系候補である。つまり、「MAGA対MAGA」の構図になる。

 一方、ハチンソン前知事は、共和党穏健派の票獲得を目指す反トランプ系候補だ。

 まだ出馬表明をしていないデサンティス知事は、トランプ前大統領が上の4件全てで起訴され、0勝4敗で支持率の勢いに陰りが見え、予備選挙において他の候補が早い段階で脱落して、「1対1」に持ち込めることを期待しているのではないだろうか。

 そして、トランプ前大統領よりも、さらに右よりの政策を打ち出して、トランプ支持のキリスト教福音派の票を奪う―これがデサンティス知事の巻き返し戦略である。

   
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