2024年11月24日(日)

21世紀の安全保障論

2023年5月1日

日米豪比の連携が急務

 このように、日米豪比は中国軍艦艇の太平洋への進出を阻止・妨害する態勢の整備を急いでいるが、この4カ国が連携することで、態勢は更に強化されるだろう。陸自は、日米間の共同指揮所演習(ヤマサクラ)を毎年実施してきたが、23年の秋に実施するヤマサクラでは日米豪比による多国間指揮所演習へと発展させる。こうした日米豪比の連携を強化する動きが加速することを期待したい。

 石垣駐屯地の開設で南西諸島における陸自部隊の「空白」は埋めたとしても、地域全体で対中国抑止の「空白」を埋めなければ意味はない。中国が27年までに台湾への武力侵攻に踏み切るとの見方もある中、残された時間は少ないかもしれないのだ。

 
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 「中国の攻撃は2027年よりも前に起こる可能性がある」─。アキリーノ米太平洋艦隊司令官(当時)は今年3月、台湾有事への危機感をこう表現した。狭い海を隔てて押し寄せる中国の脅威。情勢は緊迫する一方だ。この状況に正面から向き合わなければ、日本は戦後、経験したことのないような「危機」に直面することになるだろう。今、求められる必要な「備え」を徹底検証する。
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