政府の目標とは距離を置き、できることを粛々と進めるのであれば、政権交代があり政府の目標が変わっても影響を受けることはない。政権交代が頻繁にある米国の企業には必要な姿勢だろう。
2050年脱炭素で生き残れるのか日本企業
日本企業はどうだろうか。政府の50年脱炭素目標を受け、ESGの一環として50年脱炭素をテレビCMで流す企業も増えてきた。脱炭素のコストはいくらだろうか。そもそもコストをかければ実現可能なのだろうか。設備の更新にさえ苦労する民間企業が、脱炭素のため150兆円を超えるGX投資の大半を支出することができるのだろうか(「経済成長、給与増に寄与しない日本のGX投資」)。
米国企業のように、技術革新にも努めるが、できることには限りがある。あまりに高い目標は無理と考えるべきではないか。50年脱炭素目標を文字通り進めて日本企業は国際競争を生き抜くことができるか、考えなければならない。
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地球温暖化に異常気象……。気候変動対策が必要なことは論を俟たない。だが、「脱炭素」という誰からも異論の出にくい美しい理念に振り回され、実現に向けた課題やリスクから目を背けてはいないか。世界が急速に「脱炭素」に舵を切る今、資源小国・日本が持つべき視点ととるべき道を提言する。
特集はWedge Online Premiumにてご購入することができます。
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