反転攻勢の準備はできている
――ウクライナによる大規模反攻の見通しはどうでしょう。作戦の最大の狙いは何ですか。
松田大使 「大統領は、反転攻勢の準備ができており、その結果に自信を持っていると繰り返している。6月2日、エストニアのアラル・カリス大統領との共同記者会見では、攻勢の目的はロシアに占領されている領土の奪還であると述べた」
「米国のペトレイアス元米CIA(中央情報局)長官は、ウクライナの反転攻勢開始後72~96時間で成果を上げ、クリミア半島を孤立させる端緒になると予測している。カービー米NEC(国家安全保障会議)戦略広報調整官も6月2日、攻撃に必要な武器・弾薬は、米国とその同盟国からすでに供与されており、開始時期はウクライナ次第だと強調した」
「ウクライナ政府・軍関係者は、時期に関しては発表しないと繰り返し述べている。予断をもたずに事態の推移を注視したい」
――クレムリンへのドローン攻撃など、ロシア国内への一連の攻撃にウクライナが関与しているという見方もあるようですが。
松田大使 「ウクライナ政府・軍関係者は、ロシア国内での攻撃に対するウクライナの関与を一貫して否定している。それ以上の情報はない」
――欧州がF16戦闘機のウクライナへの供与を検討し、米国が容認する方針に転じています。戦局に与える影響をどうみますか。
松田大使 「ウクライナ空軍パイロットのためのF16訓練の開始は決まっているが、期間や機体の実際の引き渡し時期などについては、引き続き調整が行われている。現時点で、F16が戦局に与える影響については、予断を避けるためにコメントを差し控えたい」
「カービー米NSC戦略広報調整官は、6月2日の記者ブリーフィングで、その供与は、新兵器の登場ということだけではなく、中長期的にウクライナ空軍の能力を強化することに資すると説明している」