6月1日にスウェーデンが反テロ法を施行したことを受け、トルコのエルドアン大統領もスウェーデンのNATO加盟反対を取り下げるべきであると思われる。
スウェーデン側は既に要求に応えた
そもそもエルドアンがスウェーデンのNATO加盟問題とPKKメンバーのスウェーデン滞在の問題を結び付け、後者の問題の解決がなければ、前者の問題の解決はないとしたのは無理筋のやり方であると考えられる。それにもかかわらず、スウェーデンは憲法の改正や反テロ法の立法にまで踏み込んで、エルドアンの要求に歩み寄ったのである。もはやエルドアンもそれなりの対応をすべきであろう。
もし、エルドアンがさらに反テロ法の執行状況を見て判断したいというような姿勢を見せるならば、この論説が言うように、エルドアンはNATO首脳会議で歓迎されないと明確にし、NATOとトルコの関係を再検討するということも一つの対応であろう。
トルコはソ連が南に出ていく際の抑えという地理的重要性を持っていたが、ウクライナ戦争がどう終わるにせよ、ウクライが地上から消えることにはならないので、ロシアの南下を抑える役割の多くはウクライナに期待できるようになると思われる。ウクライナ戦争後のロシアは弱体化が進むと思われるので、なおさらである。
米国を引き込み、ロシアを排除し、ドイツを抑えるとのNATOの当初の目的に鑑みれば、スウェーデンとフィンランドの加盟はトルコの加盟以上に今は重要であると言ってよいと思われる。
今後の進展を注視すべき問題である。