2024年7月14日(日)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2013年8月27日

 市場の力と調和のとれた日本の投資は、中国のレアアース供給における優位を弱めているが、供給源の多様化が、ワシントンと東京にとって、新しく困難な脆弱性を作り出している。一方、日本には、エネルギー供給を多様化させ、相対的に安全な太平洋を横断するルートでエネルギーを輸入するチャンスが大いにある。重要資源のサプライチェーンの脆弱性への対応は、両国、とりわけ日本に、影響力を高め、新しい安全保障関係をアジア全体で発展させる機会を与える。その結果、地域の安定性は改善されることになろう。

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 日本の資源安全保障について、日本の身になって考えてくれている論文と言えます。日本が重要資源の確保を目指して努力することは、日本が地域の安全保障とそのための日米協力に前向きになるのであれば、それは米国の利益につながるという考え方であり、それは、日本にとって有難い考え方です。

 一つだけ気になるのは、資源輸送ラインの防衛に日本が参加する場合は、周辺諸国の反感を懸念して、海自より海保が良いと言っている点です。確かに、中国は明らかに海自主導には反対でしょうし、東南アジア諸国に、それに反対するような圧力をかける可能性はありますが、特別なチャンスを与えられなければ、そこまでの外交能力が中国にあるかどうかは疑問です。フィリピン、ベトナムなどの領域紛争当事国は、むしろ海自の参加を歓迎するでしょう。

 しかし、この20年間以上、日本は、集団的自衛権の行使につながる恐れがあることを理由に、東南アジアの友邦との共同行動のチャンスを自ら捨ててきました。

 この際、新たな外交と安保政策をとり、失われたチャンスを取り戻す努力をすべきでしょう。具体的には、集団的自衛権の行使を認めて、米第7艦隊が実施している、横須賀からペルシャ湾にいたるオイルルートのパトロールにフルで参加できるようにするのは、一案ではないでしょうか。

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