テレビ討論会よりも裁判対策、トランプの選挙戦略

ジョージア州の「スピード裁判」の影響

　20年米大統領選挙においてジョージア州の選挙結果を共謀して覆そうとした罪で、トランプ前大統領と18人の共謀者が起訴された。スコット・マカフィー判事は、共謀者の１人であるケネス・チェセブロ元弁護士の初公判を、今年10月23日に設定した。米メディアは、チェセブロ氏の弁護側が「スピード裁判」を求めたと報じた。

　これはトランプ前大統領にとって、どのような意味を持つのか。

　トランプ氏はもはや、共謀した仲間をコントロールできないのだ。チェセブロ元弁護士以外にも、18人の共謀者の中に「スピード裁判」を望む者が出てくる可能性がある。彼らの中には、検察側と司法取引を結び、トランプ氏に不利な重大証言をする者がいるかもしれない。

　その一方で、共謀者の裁判が早く開かれれば、トランプ氏弁護団はファニ・ウィルス検事（民主党）が、どのような戦略を講じるのかを研究できる。

　結局、トランプ前大統領はテレビ討論会よりも、選挙戦略に裁判を組み入れた戦略の構築および裁判と選挙の融合を重視していくのではないだろうか。