ビデオリサーチは来春から、TVerとネトフリ、アマプラの視聴率も発表する。日本のテレビ各社はアマプラ、ネトフリにもドラマを配信している。これはコンテンツビジネスとしてはよいとしても、自らの将来像はどうなるのか。書籍がAmazonのプラットフォームに乗せないと電子ブックが売れないというような、利ザヤを稼がせるモデルになりかねない。
日本の制作力を生かせるか
TVerは、民放のプラットフォームになる可能性がでてきた。このシリーズでも取り上げたように、「TVerアワード2022年ドラマ大賞」を獲得した川口春奈と目黒蓮共演の「silent」は計7200万回を超える再生数で過去最高を記録した。
デジタル広告の単価は安いとはいえ、1話20本のCMを入れることが可能である。1本あたり2円だとしても、1話の視聴で40円となり、「silent」クラスの再生回数ならば億円単位の収入となる。
今秋のドラマは民放の深夜帯などを中心として増えて、過去最高になるのではないかと推定されている。テレビはデジタルのマネタイズの手法に手がかかったのかもしれない。
ネトフリでは最近配信された橋本環奈主演の「赤ずきん、旅の途中で死体と出会う」が、9月14日配信開始から4日間で日本とマレーシアで1位、ブラジル、ドイツ、イタリア、スペイン、香港、シンガポールなど51の地域と国でベスト10入りしている。日本のドラマの制作能力の高さを示した。
「韓流」「華流」ドラマばかりが世界で受けるわけではない。デジタルの世界配信に日本のテレビが本格的に乗り出せばアニメと同様になるのではないだろうか。
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