2024年4月24日(水)

田部康喜のTV読本

2023年6月20日

 3Dアニメ映画『THE SUPER MARIO BROS. MOVIE(ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー)』が世界的な大ヒットとなっている。6月4日時点の累計興行収入は13億ドル(1800億円)にのぼる。アニメとしてはこれまでの第1位の「アナと雪の女王」に迫る勢いである。

(2016年12月、ロイター/アフロ)

 マリオのゲーム登場は1981年の『ドンキ―コング』。それから『マリオブラザーズ』(1983年)、『スーパーマリオ・ブラザーズ』(85年)から『スーパーマリオ・3Dワールド』(2013年)、『マリオカート8デラックス』(17年)まで、多数のゲームが任天堂から販売されている。

 累計販売本数は2020年時点で、5億6000万本となってゲームとしては、ギネス世界記録に認定されている。

世界を席巻する日本のコンテンツ

 人気コミック『ONE PIECE』は実写版のドラマがNetflixで8月31日から世界独占配信が始まる。この作品は2022年に世界で累計5億部を突破している。すでに14年にはギネスブックの「最も多く発行された単一作家によるコミックシリーズ」として世界記録になっている。

 ゲームやコミックなど世界で日本のコンテンツは世界を席巻している。スーパーマリオ・ゲームやONE PIECEにとどまらない。1970、80年代の日本の音楽が「シティ・ポップス」として世界にファンを広げている。山下達郎のLPレコードが英国で1枚2000ポンドの値段がついている。

 アニメの世界的なヒット作も数多い。『君の名は。』(2016年・新海誠監督)の記憶は新しい。『宇宙戦艦ヤマト』(劇場版・舛田利雄監督・1977年)、『機動戦士ガンダム』(劇場版・81年)、『AKIRA』(大友克洋監督・88年)……。

 「THE SUPER MARIO BROS. MOVIE」のロードショーを観るために東京・渋谷の映画館へ足を運んだ。マリオシリーズのキャラクターたちが勢ぞろい。マリオ、プリンセス・ピーチ、ルイージ、ドンキー・コング……。ピーチ姫のキノコ王国を守るために、マリオの冒険譚が繰り広げられた。

 ゲームのように宙に浮く階段を飛び上がったり、土管を潜り抜けたり、敵と戦ったり……。マリオシリーズの特徴的なリズムもはさみこまれて、楽しい作品に仕上がっている。

 日本のゲームやアニメの戦後の歴史については、さまざまな研究と著作が出ている。ジャンルを区切ると、日本のコンテンツの豊饒さが理解できない。過去の長いコンテンツ作りのなかにその秘密がある。

 こうした構造に取り組んだ唯一といってもよい『コンテンツ産業論-混淆(こんこう=まじること)と伝播の日本型モデル』(東京大学出版会・2009年)の内容を紹介しながら、日本のコンテンツが生み出される仕組みを解明したい。


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