8月19日付New York Times紙にて、Chris Buckley同紙記者は、中国では、経済成長の減速等もあり、経済改革と共に政治改革が必要であるのに対して、共産党幹部は、逆に、民主主義は共産党の敵であるとし、毛沢東主義を復活させるなど、保守化傾向を強めている、と述べています。
すなわち、中国全土で共産党幹部を集めて開催された秘密会議では、中国社会で蔓延している7つの危険を潰さなければ、共産党は権力を失うということが言われた。
その7つの危険とは、習近平お墨付きの「文書第9号」で列挙され、第1は「西側的立憲民主主義」、第2は「普遍的価値」、第3は「市民社会」、第4は市場原理重視の「新自由主義」、第5は「西側的報道の自由」、第6は中国の唱える「歴史への批判」、そして第7は「中国式改革への疑問」である。
このような中国共産党の警告は、習近平の自信に満ちた顔の裏には、経済の減退、汚職への国民の怒り及び政治改革を求める人々に対して、党が脆弱であるとの不安が存在していることを示している。
文書第9号は、共産党中央委員会によって4月に発出されたものだが、それによると、「反中の西側勢力や国内の反体制派は、常に、イデオロギーを浸透させている。」とか、一党体制に反対する者は、「役人の財産を暴露したり、インターネットを活用して汚職や検閲等を批判したりして、党や政府への不満を煽っている。」と書かれている。
文書第9号は、発出されただけではなかった。その後、党の機関紙やウェブサイトでは、立憲主義や市民社会というものが、激しく非難された。また、役人達は、党や政府への批判が書かれたインターネットへのアクセスをブロックするのに力を注いだ。