2024年6月18日(火)

古希バックパッカー海外放浪記

2023年11月5日

知日派知識人の世代論
『MZ世代は韓国を変える』『少子化は避けられない』

 ソウルから南原ナムウォンにUターンしたK氏は日本の大学に留学した知日派知識人。韓国ではM世代1981~1996年生まれ、Z世代1997~2010年生まれが社会を大きく変えているという。

 MZ世代は自分を犠牲にして社会・家族の一員として認められるよりも自分個人の人生を楽しむのが当然という価値観。結婚という法的・社会的枠組みに縛られることを嫌う。

『結婚はしたくないけど恋愛はしたい』という理由から同棲するというカップルが増加。少し前までは韓国社会では結婚を前提に交際するという厳然とした社会規範があった。しかし海外旅行やインターネットで欧米の個人主義的で自由なライフスタイルに触れて価値観が変わった。K氏の姪も外国人と同棲しており親族は困惑し将来を心配しているという。

 職業観も変化しており上司や職場風土に忖度しない。職場でも自分が理解できないことや納得できないことは拒否する。こうしたMZ世代の価値観を理解せずに頭ごなしに旧来の価値観を押し付けようとする上司や経営者を“コンデ”(くそオヤジ、分からず屋を意味するハングルの新しい俗語らしい)と呼んで馬鹿にするという。

 K氏はこうしたMZ世代が韓国の硬直した閉塞社会を変える力になると期待した。他方でMZ世代の台頭により少子化は益々進み、政策的特効薬はないと断言。

地方の農家にお嫁が来ない

 一昔前の日本のように韓国の地方農村では嫁不足が深刻だ。上述のK氏によるとベトナム、フィリピン、カンボジアなどアジア各地からブローカー経由で外国人妻が来韓している。中国人妻は減ったがそれでも少なからず来韓しているという。

 そしてお金目当ての結婚が問題になっている。K氏の知人もフィリピンからお嫁さんをもらったが何かと故郷への送金を催促される。しかも毎月韓国で出稼ぎしている兄のところに数日間泊りがけで遊びに行く。調べたら兄ではなく夫であり彼女は二重結婚していた。

元中国人花嫁たちの率直な声を聞いてみた

 8月12日。珍島の珍島郷土文化館の公園でテント設営。夕刻公園を散歩していたアラフォー女性2人。2人は筆者を韓国人と思ってハングルで話すがどうも発音がおかしい。筆者が自分は日本人で韓国を自転車旅行していると話すと、彼女たちは中国人だと明かした。

 久しぶりに中国語でおしゃべり。2人は西安と延吉の出身。2人は別々に韓国に来た。ブローカーから韓国人の結婚相手を紹介されて支度金をもらって韓国に来たという経緯は同じだが。延吉には朝鮮族が多数住んでいるが朝鮮族ではなく2人とも生粋の漢族とのこと。

 男尊女卑の韓国社会は男女完全平等の共産中国とは真逆であり苦痛だったようだ。そしてお嫁は旦那の両親に仕えるという封建的家族制度に嫌気がさして来韓後数年足らずで離婚。すでに韓国籍を得ていたので韓国に留まり、当時盛んであった中国との貿易関係の仕事をしてかなり稼いだらしい。その仕事を通じて2人は知り合ったという。

 韓国のパスポートを持っているので中国に自由に帰省できるし海外旅行もしているという。どうも最初から国籍取得目的で国際結婚したようだ。やはり中国女性は逞しい。

 これまで何人もの国籍取得目的で欧米や日本など先進国の独身男性を狙っている中国女性に遭遇してきたので2人の話も腑に落ちた。以前インドネシアの景勝地で日本のお金持ちの農家の1人息子を紹介してと中国女子から依頼されたことを思い出した。

政府による外国人妻への手厚い支援

 上記のK氏によると韓国政府は外国人妻を迎えた世帯に対して“多文化家族”として補助金を交付している。子どもの教育費用などにも補助している。韓国の一般市民からは逆差別だとして批判が出るほど外国人妻を優遇しているという。

 韓国政府は日本同様に移民導入には依然として慎重であり、少子高齢化対策の一環として外国人花嫁優遇政策を実施しているとK氏は解説。

 上述の英語補助教員の米国人カップルによると光州市郊外の農村でもアジア系のお嫁が増えており、『お金で買われた一種の人身売買』ではないかと彼女たちの人権を心配していた。外国人妻問題も多角的な視点から考えなければならないようだ。

以上 第6回に続く
 

   
▲「Wedge ONLINE」の新着記事などをお届けしています。


新着記事

»もっと見る