2024年4月24日(水)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2013年10月25日

 9月26日付米Washington Post紙で、Fareed Zakaria米Time誌編集主幹は、仮に核問題について米・イラン間に合意ができたとしても、ロウハニが革命防衛隊の反対を乗り越えられるか、あるいはオバマが制裁解除に議会の協力を得られるのか、疑問がある、と述べています。

 すなわち、イランの大統領は国連総会に出席した際、数人の記者と朝食会をするが、ロウハニはアフマディネジャドとは全く違い、知的にかつ正確に話をした。

 ロウハニは、「核問題は非常に短期間で解決出来る。世界はイランの核計画が平和的であるとの保障を欲しており、イランはそういう信頼に応えて協力する」と述べるとともに、イランへの経済制裁が如何にイラン国民に苦痛を強いているかを話した。

 ロウハニは実利主義者で、イランの孤立を終わらせたいと考えている。しかし、ロウハニがイラン政府を代表して行動し得るかは明確でない。火曜日、ホワイトハウスはオバマとロウハニの短時間の会談を申し込んだが、イランが拒否した。ロウハニは、35年間会談はなく、微妙な問題であると説明した。しかし、ロウハニがオバマと握手する自由がない時に、核問題で交渉する自由はあるのだろうか。

 イランには革命防衛隊がある。外交でタカ派であり、制裁下で貿易や密輸を独占し、利益を得ている。最近、ハメネイは、革命防衛隊の役割は国防であり、政策ではないと述べた。これは良いニュースである。

 イラン側も、オバマが見返りに制裁解除し得るのか、疑問を持っている。

 イランへの制裁は、国連安保理決議、EUの決定、米議会の決定、米国の行政命令と多層的であるが、オバマが解除し得るのは最も軽い行政命令だけで、議会が決める制裁を解除するのは難しい。


新着記事

»もっと見る