2024年11月22日(金)

オトナの教養 週末の一冊

2024年1月2日

知っておくべき基礎的な法律知識

おとな六法
岡野武志 (著), アトム法律事務所 (著)

 三冊目は『おとな六法』(岡野武志・アトム法律事務所著、クロスメディア・パブリッシング)である。弁護士である岡野氏の「質問きてた」というセリフで始まるショート動画がYouTubeとTikTokで広く人気を集めており、それらの内容を書籍化して詳しくまとめた。

 内容は一見バカバカしい質問から、真面目で硬派な質問までさまざまだが、全100問にわたって丁寧に回答している。生活の多くの局面で法的トラブルが増えており、基本的な法律知識が必要な時代になっている中、素朴な疑問に法律の専門家がわかりやすく答えた。

 質問は多岐にわたる。「図書館で借りた本を返さなかったら犯罪ですか?」「損害賠償請求ってどうやってやるんですか?」「裁判で『異議あり!』って本当に言うんですか?」などである。答えは本書を参照してほしいが、それぞれにわかりやすい解説が記されている。

 著者の岡野武志弁護士は高校卒業後、フリーター生活10年を経て司法試験に合格した。30歳の時に「アトム法律事務所」を設立し、現在グループで全国に12拠点を構える法律事務所に成長させた。

 本書で著者の岡野氏はこう述べる

 法律の世界には、「法の不知は罰する」という格言があります。~中略~分かりやすく言うと、法律違反をしてしまったときに、「法律を知らなかったので許してください」という言い訳は通用しないということです。
 ただ、法律は、内容を正確に規定しようとするがあまり、どうしても文章が複雑・難解になってしまします。現実問題として、法律を正しく知り、理解することは、とてもハードルが高いと言わざるを得ません。

 本書はこうしたニーズに応えるべく4年間に及んだ動画配信と、15年の弁護士経験をまとめた。動画先行のこうした法律本はこれまで例がなかったためか短期間で版を重ねるなど読者の関心も高い。新たな年にこうしたわかりやすい本を入り口にして勉強を始め、法律的な理解を深めるのも悪くない。

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