2024年1月13日の台湾総統選挙に絡み、23年12月末に行われた各世論調査は引き続き、与党が優勢を保ち二野党が僅差で迫る鼎立(ていりつ)状態が続いた。総統選で与党・民進党が辛勝する可能性が高い。
ただ、同日、行われる立法委員(国会議員)選挙では、民進党が過半数割れとなる情勢で、過去8年間維持した「完全執政」(総統との同時掌握)が終わりそうだ。国民党も着実に支持を集めているが過半数に手が届かない見通し。
台湾有権者の関心は、選挙後の政局に向かいつつあるが、第二野党の民衆党がキャスチングボードを握ることになるかも知れない。同党を率いる前台北市長の柯文哲候補の動向が注目を集めそうだ。
テレビ討論会で国民党候補は見劣り
台湾の衛星テレビ局TVBSが23年12月30日に実施した世論調査では、与党の総統・副総統候補である頼清徳・蕭美琴ペアが33%、最大野党の国民党の候補である侯友宜・趙少康ペアが30%、第二野党の民衆党の候補である柯文哲・呉欣盈ペアは24%だった。
台湾では23年12月30日午後、「台湾公共テレビ」で台湾メディア11社の共催により、今回の台湾総統選唯一のテレビ討論会が行われ、テレビとインターネットで中継された。TVBSの調査では、回答者の32%が視聴したと回答しており、全国で約625万人が総統候補3人の舌戦に耳を傾けた。
TVBSがテレビ討論会直前の12月22~28日に行った世論調査に比べ、30日の調査では与党ペアが4ポイント、国民党ペアが3ポイント支持率を下げたのに対し、民衆党のペアは2ポイント上昇させた。「投票先未定」もテレビ討論前の9%から13%に上昇した。
総統選の投票に「必ず行く」との回答は、12月28日の77%から30日は82%に増えている。テレビ討論が総統選の有権者の関心を高めたことは間違いない。
台湾の中央通信社によれば、テレビ討論会は「弁論」「メディア代表者による質問」「候補者の相互質問」「結びの言葉」の順に行われた。