認知症カフェとは?
そのうちの4回は、以前から柴﨑さんら「実家なんとかし隊」が年に4回行っていた「認知症カフェ」を組み合わせるなどして全体を2部制にした。
……そう、なんと後半に行われていた「しおり作り」は、実は「認知症カフェ(オレンジカフェ)」として、開催されていたものだったのだ!
認知症カフェとは(リンク)001156190.pdf (mhlw.go.jp)
これにはとても驚いた一方、自然な形で認知症を受け入れる素地作りとして、とても秀逸な形だと感心した。「感心した」と私が言うのも、とてもおこがましいのだけど。
しかし、「だから、あんしんすこやかセンターの方が参加していたのか」と納得したし、体操イベントと組み合わせる工夫を「やるな」とも、思った。「やるな」というのは、運営を継続させるための資金的な意味合いと、必要とすべき層に認知症カフェを体験してもらえる(=参加人数を増やせる)という2つの意味において。
なお、認知症カフェについては、別の回で改めて書くが、場所によっていろんなタイプや趣があるので興味深く思っている。
「実は、しおり作りのお茶会には、認知症の方も参加していらしたんですよ」と、柴﨑さんに後で教えてもらったのだが、参加した感想を正直に言うと、私自身はその空間にまるで違和感を持たなかったし、とても自然に会を楽しめた。
参加者の皆様方は、あの場でおそらくは一番の年少者で新参者だった私に、とても親切にしてくれて、しおりのひもの因り方などもていねいに教えてくれた。全員が優しい年長者だったし、逆に言うと、「あの場」にいることで、誰もが優しい年長者としての顔を引き出されていたのかもしれないとも思った。認知症であろうとなかろうと。
2部制のメリット
なお、2部制にした後半メニューのうち、認知症カフェ以外の4回は、ななつのこを拠点とするボランティアグループに参加していた太極拳の先生に講師役を頼んで太極拳を教わることにして、それ以外の4回は参加者が参考になるような「靴や杖の選び方講話」や「メディカル講座」などのメニューを外部講師に依頼した。外部講師は、柴﨑さんが他の活動を通じて縁を作った方々だ。
……と、以上のような経緯から、ななつのこde運動し隊の健康体操には、様々な要素や人や組織が関係することになったのだ。
参加した各人は、毎回、初参加の人も含めて、終了後に机や椅子を片付けるのだが、一緒に作業をすることで、みんなが「運動し隊」のメンバーとして会の運営に知らず知らずに携わり、その後スムーズに掃除をしたり、ごみを捨てるようになっているようだった。
私は初参加したときから、この会を「体操を習う場」というよりも、「参加者みんなで作っている場」だと感じたが、それはこういう理由からだったのかと会の成り立ちを聞いて納得した。
なお、「ななつのこde運動し隊」の健康体操がどうしてななつのこではなくて、コーシャハイムの交流スペースで行われていたかというと、参加者が予想以上に多かったからだそう。
家の近所で「人と一緒に」、定期的に体を動かしたいというニーズは、潜在的にあったのだ。
(続く)