2024年11月21日(木)

一人暮らし、フリーランス 認知症「2025問題」に向き合う

2024年2月9日

認知症人口は、2025年には700万人になると言われている(厚労省「認知症高齢者の将来推計について」より、認知症施策 |厚生労働省 (mhlw.go.jp)。この連載では、認知症を回避するためにできることはあるのか、また、認知症対策として今、どのようなことが行われているのかなどについて、様々な現場に足を運びながら見ていく。なお、筆者の立場は、「離れて住む実家の母の認知症を防ぐこと」。よって、対策を見ていく際には、「どうすれば自分以外の人にその対策を行ってもらうことができるのか」も合わせて考えていきたい。
 

ななつのこde運動し隊

 前回から、東京・世田谷にあるJKK物件「コーシャハイム千歳烏山」で行われている運動の取り組みを紹介している。→前回記事はこちら(『「60歳からの健康運動」地域に根づかせる力とは? 世田谷・ななつのこの取り組み~前篇〜』)

 会場は、東京都が全額出資して設立した特別法人「JKK東京(以下、JKK)」の持ち物件であるコーシャハイム千歳烏山。その中にある交流用スペース「コミュニティサロン」(以下、交流スペースコミュニティサロン)だ。

 JKKは、住まい面から都の政策課題をサポートしている。

 そのためコーシャハイム千歳烏山には、多世代交流を目的とする「コミュニティカフェななつのこ(以下、ななつのこ)」が入っていて、前回から紹介している運動は、このななつのこを拠点に生まれた「ななつのこde運動し隊」という団体が行っている。

 ただし、最初に参加した時点では、誰がそのメンバーで、どういうふうに運営しているかは、まるでわかっていなかった。一つだけ、「実家なんとかし隊」という組織の方が運営協力をしているらしいことだけは見て取れた。では、前回の続きを見ていこう。

コーシャハイム千歳烏山&コミュニティカフェ「ななつのこ」イベント特集!今月は…「ななつのこde運動し隊」の活動をご紹介♪ | JKK東京 (to-kousya.or.jp)

しおり作りタイムに世間話

 コーシャハイム千歳烏山のコミュニティサロンでは、20人に満たない男女がパイプ椅子に座り、1時間ほど体操を行った。

 その後10分の休憩をはさみ、後半の50分では、お茶を飲みながらしおりとポチ袋をみんなで手作りするという。

しおりとポチ袋作り

 そこで、体操を終えた参加者たちはテーブルと椅子の位置を変え、場をみんなで向き合う形に作り替えた。

 しおり作りというテーマのせいか、前半だけで帰る人もいたのだが、その後、12月と1月の回に参加した時は後半だけにやってくる人もいたので、参加状況は内容次第のようだった。

お茶を飲みながら、しおり作り

 作業は、世田谷区の地域包括支援センター(世田谷区では、「あんしんすこやかセンター」と呼ぶ)の方が補助をしてくれていた。

 とはいえ、この方から「習う」というよりも、みんなで和気あいあいと教え合う感じだった。たとえば「ここにこうひもを通すみたいよ」とか、「ここを切るときれいにできるわよ」など、私自身も左右や前に座っていたから声をかけてもらい手取り教えてもらったし、逆に私から声を出して質問をしたりもした。

 そしてこの時間があったおかげで、私は周りの方々とスムーズに話すことができたと感じた。

「今日初めて参加したんですよ」とか、「どこから来たのですか?」という程度だが、これがあるとないとでは大違いで、体操だけで解散していたら、私のような人見知りをするタイプは、リピート参加は難しかっただろう。

 また、ここで話ができたおかげで、私と同じく初めて参加した人も結構いたのがわかったし、参加者の中にはコーシャハイムに入居している人が半数以上いたともわかった。逆に言うと、コーシャハイムの住人でない人も半数近くいたわけで、そう考えると、地域の人たちがななつのこを経由してこのような催しに参加しているのは、JKK物件が「地域の中の多世代交流の場」として役立っている証のようにも感じられた。


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