2024年5月15日(水)

田部康喜のTV読本

2024年2月16日

 これがきっかけとなって、小川はなんとテレビ局のカウンセラーとなる。「裏がジブリじゃしょうがないじゃない。コア視聴率は変わらないんだから、胸張って歩け」と心身に支障がでた相談者を励ます。

ミュージカル調で解決策を提示

 第3回「可愛って言っちゃダメですか?」(2月9日)に至って、タイムスリップの謎が解き明かされる。小川が未来にやってきたバスは、彼の教え子で野球部員だった井上昌和(三宅弘城)が令和に発明したものだった。このバスでは、井上の離婚した妻の向井サカエ(吉田羊)と息子の中学2年生のキヨシ(坂元愛登)が昭和にやってきてしまった。

 社会学者のサカエは昭和時代のコンプライアンスを研究するためにやってきた。そして、キヨシは小川のひとり娘で高校2年生の純子(河合優実)にひとめぼれしたのだった。

 物語は、小川が令和と昭和を往復するごとに、過去と現在が交差しながら進んでいく。タイムスリップはバスによるほか、小川の行きつけの喫茶店のトイレの壁にある穴がポスターでふさがれているのをきづいて通り抜けたりする。

 昭和から令和へ。男性側が小泉今日子のデビュー当時のポスターだったのに、ポスターを小川がはがしてそこにある穴から抜けると、そこには「小泉今日子 デビュー40周年」とある。そして令和から昭和へ戻ろうとすると、トイレの壁の穴はふさがっていて、今度は天井の穴からになっている。

 昭和のテレビの深夜帯でバニーガールなどが当たり前のようだった番組のパロディ「早く寝ナイトチョメチョメしちゃうぞ」。小川(阿部)の娘の純子(河合)がハガキの応募に当たって3人組の女子高校生チームとして、セクシー女優チームとニューハーフチームと相撲取りの衣装をまとって相撲をとる。

 向井サカエ(吉田羊)とその息子のキヨシ(坂元愛登)とともに、小川(阿部)も録画の観客席にいた。娘の純子の番組内でのやりとりに不満を投げつける小川に対して、サカエはこういう。

 「あなたはこの番組を見ていないの? (セクシー女優もニューハーフも)けなげによくやっているじゃない。みんな誰かの娘じゃない?」

 一方、テレビ局に復帰した渚(仲里依紗)がいる令和では情報番組の生放送では、プロデューサーの栗田一也(山本耕史)がコンプライアンスをめぐって混乱状態に陥っていた。番組の司会者が4股交際によって週刊誌のネット版に報道直前に迫っていた。司会者の代役を立てたものの、その発言のひとつひとつがコンプライアンスに触れると考えて、CM後に「お詫びいたします」の連続だった。

 危機に陥った渚は、自分のスマートフォンで小川を呼ぶ。小川はサカエの息子のキヨシが昭和に持ってきたスマホを使っていた。


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