2024年11月19日(火)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2024年3月28日

 3月4日、IAEAの事務局長が、「IAEAがイランの遠心分離機の台数や濃縮ウランの備蓄量等についてデータを継続的に得られなくなった」と報告した。これにつきウォールストリート・ジャーナル紙の3月6日付け社説‘Whistling Past the Iranian Nuclear’は、報告はイランが核武装のために秘密裏に活動している可能性を意味するので、バイデン政権は及び腰だが、イランにこれ以上エスカレーションさせないようにするべきである、と主張している。要旨は次の通り。

(michaklootwijk/gettyimages)

 バイデン政権は、イランの核開発問題が無くなったように振る舞っているがそんなことはない。3月4日、国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は、「イランの濃縮ウランの備蓄量、遠心分離機の生産数、配備数、重水とイエローケーキ(精錬されたウラン鉱石)についてのデータを継続的に得られなくなった」と明らかにした。平たく言えば、イランが核武装のために新型の遠心分離機を秘密裏に増やしている可能性があるということだ。

 IAEAの新しい四半期報告では、イランは批判をかわすために濃度60%の濃縮ウランの量を僅かに減らしたが、イランの濃縮ウランの備蓄は増え続けており、「イランは、核爆弾13発分相当の濃縮ウランを濃縮することが可能であり、一旦、核爆弾の製造に踏み切れば最初の1カ月で核爆弾7発分の濃縮ウランを製造できる」との見通しもある。


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