2024年12月26日(木)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2024年4月16日

 いずれにせよ、昨年1月からこれまでの間、18人の政治局員の内、4人も解任されている。フック国家主席(前首相)、ミン副首相(前外相)、アイン中央経済委員長(前商工相)、今回のトゥオン国家主席(前党書記局常務)である。

 過去十年間の経済発展、国際社会におけるベトナムの地位向上に大きな貢献をされた有能な方々であり、「不透明な形」で辞任せざるをなかったことは、異例の事態であり、ベトナムにとって大きな損失である。

政治的停滞に外国人投資家はどう反応するか?

 また、21年以降23年10月までの間に、約1300の汚職事案で3500人以上が逮捕・訴追されており、汚職に対する「社会の意識改革」も相当進んだと思われる。そして何よりも、このような状況が更に続くようなことがあれば、政策決定が一層遅れることに加え、政治動向に不安感が広まって、外国の投資家が様子見をすることになると思われる。

 今後、新国家主席の就任に合わせ、指導部が一致して「国の一体性」と「法の支配」を維持しつつ、45年の先進国入りに向けて邁進することを表明し、党及び政府職員が高い倫理観をもって、迅速に職責を果たすよう促すことを期待したい。

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