2024年12月23日(月)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2013年11月22日

 米外交問題評議会上席研究員のタキーが、10月15日付ワシントン・ポスト紙に、「世界はイランに中途半端な措置はこれ以上いらないと告げるべきである」と題する論説を寄稿し、イランの外交を決めているのは大統領、外務省より国家安全保障最高評議会であり、ここでは強硬派が強く核交渉は容易ではないが、米などは強い立場にあるので、中途半端ではない成果を目指して交渉すべきである、と論じています。

 すなわち、大国は、再びイラン核問題解決の外交努力をしている。ロウハニ大統領の登場で期待は高い。ロウハニとザリフ外相に注目が集まっているが、重要な決定は国家安全保障最高評議会が行う。その構成と指導部がイラン外交の方向性にとって重要である。

 評議会は、ますます強硬派に占められている。その長は革命防衛隊出身シャムハニ前国防大臣であり、次長は革命防衛隊将校のフセイン・タシュである。

 この2人は、アフマディネジャドが賢明でない挑発をする、と批判的であった。彼らは、イランはもっと合理的な大国であるべきだとしてきた。たとえば、シリアでの化学兵器使用を非難し、核問題に建設的に取り組む用意があるとしてきた。

 しかし、シャムハニなどは、イランは地域で覇権的な役割を果たすべきであると信じている。アフガンやイラクで、イランの歴史的な敵がいなくなり、アラブで政治変革が起こる中、イランは地域での指導力を発揮する好機を得ているとも考えている。彼らは、イランはその影響力のために核能力を必要とすると考えている。彼らは国際社会に信頼醸成措置を提示することの重要性を認識している。ただし、これは核計画の停止や重要要素を諦めることは意味しない。対話にはオープンであるが、米国の懸念を、核計画を放棄せずになだめようとしている。

 イランは「核の権利」を主張し、アサド支持、国内弾圧などを続けよう。イランは核について大国の禁止の限界をテストしようとしている。

 米国などは強い立場にある。イラン経済は制裁で弱っており、国家と社会のきずなは弱っている。EUの対イラン不信は強い。交渉では追加制裁の脅しとイスラエルの軍事力が梃子になる。


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