平成が残した日本の「宿題」
今こそ直視を
令和の課題を論じ、日本の将来を考え、未来をより確かなものにしていくためには、前史である「平成」という時代を振り返る営みが欠かせない。
だが、悲惨な戦争体験を回顧し、一方で「あの頃の日本は良かった」と、高度経済成長期を懐かしむ風潮が強い昭和の時代に比べて、平成の時代を正面から捉え、論じられることは意外にも少ない。
平成という時代が人々の記憶から忘れ去られないようにするには、正確な「記録」が必要だ。そこで小誌では、創刊35周年を迎えた2024年5月号より、2号連続で「平成全史」を特集する。取り上げるテーマは政治・経済・社会問題のみならず、企業経営や災害・事件・教育など、さまざまだ。どのパートから読み進めてもらっても構わない。
令和もはや6年を数えた。多くの人々が日本の再生を望んでいる。だからこそ、平成が残した日本の「宿題」を直視し、本気で向き合うことが必要なのだ。