2024年11月20日(水)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2013年11月26日

 元ユタ州知事で、2012年米大統領選の共和党予備選にも出た、ジョン・ハンツマンが、今回の政府閉鎖と債務上限の引き上げ交渉は、共和党にとって、何も得られず、本来の支持者であるビジネス層の支持も失うこととなるなど失敗であり、米国人は今でも小さな政府を希望しているのだから、民主党とも合意出来るような現実的な中道の政策を求めるべきである、と10月23日付フィナンシャル・タイムズ紙掲載の論説で述べています。

 すなわち、予算問題折衝は失敗だった。共和党は過激だという印象を与え、民主党に政治的勝利を与えた。今回は選挙民の主流だけでなく、本来共和党支持であるビジネス層の支持も失った。しかも何週間も続いた政争によって、米国の状況は少しも改善していない。

 アメリカ人には、今でも、低い税金、小さな政府、予算の均衡は訴えるのだから、具体的なはっきりしたロードマップを示すべきである。1996年の予算凍結の後始末に成功したのは、共和党が均衡予算についてビル・クリントンと合意したからである。しかし、現在は、共和党内でも、民主党との間にも、共通の大きな目標というものがない。それでは、妥協点が見つからない。

 多くの共和党員は、今回もっと強硬に頑張らなかったことが失敗の原因だと思っている。しかし、われわれは、民主党に勝つためには、現実的な解決を求めている問題解決者であることを示さねばならない。

 共和党が、しばしば、全国選挙に負けているのは、米国人口の15%(共和党の支持者は人口の50%)にしか訴えない候補者を立てているからである。

 来年の中間選挙、そして大統領選挙を控えて、移民問題やオバマケアなどについて、民主党と建設的な妥協に達しなければいけない。

 それが次の選挙における共和党の勝利への道である、と論じています。

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 共和党内の中道穏健派の主張です。ハンツマンは駐中国大使もつとめ、民主党政権の下でも働くことを知っている共和党の穏健派であり、元ユタ州知事として大統領選にも出馬した実力者です。この論説でも、共和党内の強硬分子が超党派政策を阻害していることを指摘しています。


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