したたかな裏の顔
米メディアによると、イランはオマーンなどで米国と水面下での接触を続けている。表立っては米国を大悪魔と呼び、口を極めて非難するイランのしたたかな裏の顔だ。14日にもバイデン政権のマクガーク中東調整官がオマーンを訪問し、同国当局者を仲介者としてイラン高官と間接協議を行った。
今回の協議はガザ戦争が中東紛争に拡大するのを防ぐのが目的だったという。イランが4月、イスラエルに弾道ミサイルなど350発を発射した際も、米国に事前に攻撃することを通告し、イスラエルや米軍に十分な迎撃の時間を与えたことが分かっている。
また一部メディアによると、イランは4月下旬、ストップしている核合意の再建交渉を打開するため、60%にまで高めたウラン濃縮度を20%にまで引き下げる提案を米側に行ったという。イランは11月の米大統領選挙でトランプ前大統領が復活当選することを恐れており、バイデン政権との間で交渉を再開し、経済制裁を解除させたい考えだ。
イランはライシ大統領なきあとも米国との秘密接触は続けるものとみられており、大統領死去の混乱に乗じて米国やイスラエルがイランに手を出さないよう、裏チャンネルを通じて警告していくハラのようだ。