「奏と一緒なら、いつでも死ねる。このままで死にたい」
「私の仕事は真実を見つけること。真樹、なにか隠してるよね?」
奏は、上司である横浜地検中央支部長の大畑節子(高畑淳子)に携帯で電話をして、野木を確保したことを告げた。そして、メールで「あと1日ください。真実を探します」と。
野木の父・浩一郎の自宅全焼が野木(亀梨)の犯行であることに疑いを抱いている奏は、刑事・渡辺(板尾釧路)と捜査を続けた。現場周辺に防犯カメラはなかったが、駐車中の車載カメラに映っていたのは、学生時代からの友人で弁護士の梅田祐希(矢本悠馬)だった。
梅田の自宅に押し掛けた奏が「なぜ現場にいたのか?」と問うと、梅田は「野木がかばってくれたんだ!」という。
新しい「石原ブランド」の誕生
ミステリーの最終幕に向けてさまざまな謎が明らかになっていくのだろう。
「地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子」(日本テレビ・2016年)や「アンナチュラル」(TBS・18年)の法医学者とは、ひと味もふた味も違う「石原さとみ」を観ていただきたいと思う。
最後に映画「missing」のパンフレットの石原インタビューの一部を紹介したい。
「6年前の私は自分に飽きていて、自分のことがつまらなくて、このままではいけない、吉田(監督)さんだったら私を変えてくれるかもしれないとすがるような思いでした」
映画デビュー作にして、代表作である「わたしのグランパ」(東陽一監督、03年)で各種の映画祭の新人賞を総なめしてから、石原も現在37歳である。新しい「石原ブランド」の誕生がうれしい。
「わたしの」は、祖父役で刑務所の刑期を終えた菅原文太を配して、少女・石原がさまざまなことを学んでいく成長物語である。菅原にとっても代表作。原作は筒井康隆で、筒井の代表作の「時をかける少女」とともにお暇なときにご覧ください。