2024年11月22日(金)

科学で斬るスポーツ

2013年12月2日

ビジネスに通じる脳科学の視点

 脳科学的な視点では、勝った時の過ごし方が大事だという。満足感、達成感を得る脳の領域「自己報酬神経群」が作用すると、モチベーションが急速に下がる癖があるからだ。例えば、この神経群は常にご褒美をねだる。過去の栄光にしがみつこうとし、その一方で、「こんなはずじゃない」という邪念が生まれ、結果として勝てなくなる。「だからその都度、クリアランスをしなくてはいけない」と林教授はいう。

 競泳日本代表の平井伯昌コーチ(東洋大水泳部監督)が、世界選手権などの優勝は、五輪の前哨戦に過ぎないという意識を選手に浸透させようとしているのもその一例だろう。

 林教授は著書『勝負に強くなる「脳」のバイブル』(創映社/三省堂書店)の中で、

・脳は優勝すると本能によって、しばらく力を発揮しない。
・「(一時の)いい思いは」は、次への更なるステップ(単なる前哨戦に過ぎない)と考える
・成功の理由を常に明らかにし、否定語は使わない

 など勝ち続けるために必要な脳科学の視点を紹介している。これはスポーツだけでなく、ビジネスや教育、受験などにも通じることだ。学ぶことは多い。


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