補助金依存、前途多難な捕鯨業の将来
拙稿「『ゼロゼロ融資』に支えられる商業捕鯨の多難な前途」でも指摘したが、捕鯨操業会社である共同船舶は22年度に14億円もの補助金を政府から受け取っており、この額は現在でも大きな変化はほぼないと考えられる。
このうち直接政府から受け取っているのは3億4500万円に過ぎないが、残りは北太平洋の公海や南極海で実施しているクジラの目視調査のためなどとして、調査実施機関である日本鯨類研究所から用船料というかたちで受け取っている。それでは、公海や南極海で商業捕鯨を再開するかと言うと、その目途は立っていないし、南極海での操業については「コスト面で現実的でない」と共同船舶自身が否定している。現状のままでは、調査は捕鯨会社に用船料として国の補助金を渡すためのものになっていると言われかねない。
新造船の償却費用や売れずに積みあがるナガスクジラという「時限爆弾」を抱えた中での商業捕鯨。商業捕鯨再開から5年過ぎたにもかかわらず、補助金依存体質からの脱却の目途は立ってはいない。
税金が投入されている以上、商業としていつ自立できるようにするつもりなのか、その説明責任が問われて然るべきように思われる。併せて、水産庁はいつ補助金を終了させるのか、少なくとも、どのようなかたちで、またどのようなタイムスパンで補助金をフェーズアウトさせてゆくのか納税者たる国民に説明責任を果たすべきである。