2024年12月4日(水)

田部康喜のTV読本

2024年6月5日

 第6話「風を読み届けろ命の薬!明かされる晴原の過去」(5月29日)に至って、地震によって孤立した集落にドローンによって救援物資を届ける使命がSDMに課される。

 ドローンの飛行高度は最大でも150メートル(m)、気象と地形を解析しながら救援物資を届ける。晴原と上司にあたる、ドローンによる災害対策を専門の上野香澄(うえの・かすみ、平岩紙)が、協力して孤立した2カ所の集落に救援物資を送り込んだ。

 その直後、緊急事態が発生する。さきほど救援物資を届けた集落のひとつから、70歳の女性の左足が急に膨張して歩けなくなったという緊急連絡が入る。

 医療班の汐見早霧(夏帆)は、遠隔の画面を通じたその患者の問診と足の状態を見て診断を下す。持病の肝硬変を患わっているために、地震の際に傷を負ってウイルスが体内に入って、悪化した場合には足の壊死や全身の状態が悪化して死に至ると。ドローンによって抗ウイルス剤を届けるように要請する。

 ドローンのバッテリーの消耗状態から、晴原(山下)は患者が住む孤立集落までの最短ルートを解析する。

 ところが、ドローンは電波が届かなくなったために停止状態になる。こうした場合は、90秒間ホバリングして、出発地点に戻る仕組みになっている。

 晴原の判断は、「それではこちらからドローンに近づく」というものだった。ホバリングの限界となる20秒前に手元の操縦装置からの電波が届くようになって、抗ウイルス剤を積んだドローンは無事に現地に着陸した。

見えてくる灯の死の“真実”

 孤立集落の救出劇の前に、晴原の婚約者・灯の死の原因のカギが明らかになりつつある。

 灯の指示によって公民館にとどまったために亡くなった人々を悼む碑の前で、SMDの指令者のドライバーであり料理人の丸山ひかる(仁村紗和)がたたずんでいる。

 「灯について何か知っているのか?」「灯に(豪雨の夜)あったのか?」と矢継ぎ早に尋ねる晴原に丸山は「いまはいえない」という。そして「わたしはもうSMDにはいられない」と、辞表を出す。

 その一方で、今回の事件が成功のうちに解決したあと、晴原の上司である上野は「わたしが奪った、あなたのかけがいのない人の命を」と、告白する。

平岩演じる上野(左)は灯の死にどのように関わっているのか

 ドラマを観るのは、その展開をみるのはいうまでもない。「ブルーモーメント」は、登場人物の俳優たちの過去の作品を思い出されて、現在の位置とそしてこれからを予想しながらご覧になることもできる。そんな作品です。

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