2024年6月19日(水)

World Energy Watch

2024年6月6日

 2024年6月に入り、各電力会社は電気料金の値上げに踏み切った。この背景には、電気・ガス価格の抑制を目的とした政府の補助金が終了したことがある。

電気料金が上がる中、日本は原発再稼働へ舵を切れるか( Pool / gettyimages)

 今年4月にも、再生エネ発電の普及のために通常の電気料金に上乗せしている賦課金が引き上げられたばかりである。度重なる電力料金の値上げは、国民の生活や企業の経済活動に悪影響を及ぼす。

 こうした中、電力コスト上昇の歯止めとして、原子力発電の役割に期待が寄せられている。

ウクライナ戦争を背景とした電力補助金

 電力補助金(電気・ガス価格激変緩和対策事業)が始まった背景には、22年2月のロシアによるウクライナ侵攻に伴う資源価格の高騰があった。西側諸国はロシアの戦費につながる資源収入を断つため、対ロシア制裁として、ロシア産化石燃料の輸入削減を図った。その結果、石油や天然ガスの短期的な需給バランスが大きく崩れ、欧州のみならずアジアの市場でも資源価格が急騰した。

 政府はエネルギー価格の高騰による物価高を考慮し、ガソリンと同じく、電気・都市ガス料金の負担緩和に向けた支援策を開始した。23年1月より、電気・都市ガスの使用量に応じて料金を値引きした小売事業者等に対し、その値引き原資を補助することで、価格抑制に努めてきた。

 その後、資源価格の上昇が一旦落ち着いたものの、円安の急激な進行が燃料輸入コストを押し上げる一因となった。液化天然ガス(LNG)や石炭といった発電用燃料の輸入額はウクライナ戦争開始前と比べても、割高である。LNGの1万トン当たりの輸入額(月次)は21年1月の4.5億円から、ウクライナ侵攻を経て、22年8月には14億円まで跳ね上がり、直近24年4月では8.9億円を記録した。


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