2024年11月28日(木)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2013年12月12日

 ただ、この提案をオバマ政権と現在の国務省が受け入れる可能性は少ないでしょう。第一次オバマ政権の時のオバマ大統領の北京訪問、そして、第二次オバマ政権における習近平主席のサニーランド訪問で、米中協調は全く進展しなかったにもかかわらず、オバマ政権は、今でも中国の機嫌を損なわないことに、汲々としていて、ヒラリー・クリントン元国務長官が始めた実質上の中国包囲網政策に戻る気はないようです。

 この際、日本の政策は如何にあるべきでしょうか。

 上記の社説が提案する方向にアメリカの政策を誘導することが重要だと考えます。アメリカと言っても、それはオバマ政権だけではありません。議会があり、言論界があり、世論があります。また、組織としては軍もあります。

 また、現在の世界のパワー・バランスにおいて、何が最も特筆すべき現象かと言えば、それは過去20年間の中国の軍事力の急速な膨張であり、それがいつまで続くかはわからないとしても、その蓄積の効果は年々顕われて来ますし、それに対応するのが、現在、米国、日本を含めて、国際戦略の王道です。

 したがって、この中国の脅威への対応について、たとえ現政権はレーム・ダック化して期待できないとしても、米国内に、日本にとって有利なコンセンサスが出来ればそれで良いのです。議会や軍の有識者の中には、このWSJのような意見に賛同する人は多々居るであろう。戦略家、評論家の中でも、支持者は少なくないと思う。日本政府の広報政策としても、出来るだけ、こういうコンセンサスが生まれることを支援すべきであろう。

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