検索欄もあるが、漢字一文字入力しただけで、その文字と関連する今の売れ筋商品などが表示されるなど、ここでもリコメンドを徹底している。
消費者が何を欲しがっているのか、データから予測してアプリが提案する。リコメンドに採用された商品はほぼ確実に一定以上の売上をあげることができる。この確実な需要と引き換えにして、製造企業側に安く販売させる。逆転保険における消費者の約束を、データに基づくリコメンドに置き換えたサービスなのだ。
アリババを超えたイノベーション
消費者の興味関心に基づくマーケティングとネット販売というビジネスモデルはインタレストコマースと呼ばれる。アイデア自体は目新しいものではなく世界各国の企業が取り組んできたが、ピンドゥオドゥオ(そしてティームー)はもっともスマートな形で成功した企業の一つだろう。粗悪品も含まれた怪しげな激安商品を、もっとも洗練させた手法で売っている。
同じ中国企業であるアリババグループと比較すると、ピンドゥオドゥオの革新性はより理解できる。現在、ピンドゥオドゥオの株価はあの中国EC最大手のアリババグループを上回っている。アリババでもピンドゥオドゥオと同じ商品が売られているが、インタレストコマースを駆使した成長性の高さが市場に評価された結果だ。
アリババもリコメンド重視などの対抗策を打ち出してきたが効果をあげられていない。より巨大な資本力を持ち、同じ商品も販売しているアリババですら、ピンドゥオドゥオのイノベーションに太刀打ちすることは難しい。
安い中国製品の氾濫、その理由のすべてを補助金など中国のアンフェアな行いに求めることはできない。問題があることも事実、だがその中に強力なイノベーションが生まれていることを認知しなければ、中国製品の増加という現実に対処することはできないだろう。