2024年6月30日(日)

BBC News

2024年6月28日

欧州連合(EU)は27日、ベルギー・ブリュッセルで首脳会議を開き、次期委員長に現職のウルズラ・フォン・デア・ライエン氏を指名した。同氏が委員長となれば2期目で、任期は5年。

また、EUの外相に当たる外務・安全保障政策上級代表にエストニアのカヤ・カラス首相を、大統領に当たる首脳会議の議長にポルトガルのアントニオ・コスタ前首相を、それぞれ指名した。

3人の候補はいずれも中道、親EU派。フォン・デア・ライエン氏はドイツの中道右派、コスタ氏は社会主義者、カラス氏はリベラル派とされる。

この人選案は来月、欧州議会で採決される。

多くの首脳が支持するなか、イタリアのジョルジャ・メローニ首相は反対姿勢を示した。

メローニ氏はこの日の首脳会議を前に、今回の人事案は最近の欧州議会選挙において、同氏が率いる政党を含めた強硬右派政党の躍進を無視したものだと述べた。

メローニ氏はこの日、フォン・デア・ライエン氏をめぐる投票は棄権し、コスタ氏とカラス氏に関しては反対票を投じた。

欧州議会での人事案の承認は、今回よりも難しい可能性がある。

首脳会議での投票後、フォン・デア・ライエン氏は「欧州委員会委員長2期目の指名を支持してくれた首脳たちに、単純明快に感謝の意を表したい」と述べた。

カラス氏は「欧州理事会の支持を本当に光栄に思う」と述べ、職務について「大きな責任」だと表現。

「私が目標としているのは、ヨーロッパ団結のために働き、ヨーロッパの利益を守ることだ」と話した。

コスタ氏は、カラス氏とフォン・デア・ライエン氏をたたえ、「私たちの協力関係は、ヨーロッパと欧州市民に奉仕するにあたり、大いに成功すると確信している」と述べた。

コスタ氏は昨年、首相を辞任した。ベルギーのシャルル・ミシェル元首相の後任としてEUの大統領職を務める。カラス氏はスペインのジョゼップ・ボレル氏の後任となる。

イタリアのメローニ首相は、欧州議会選で自身が率いる右派の「欧州保守改革(ECR)」が第3位となったものの、今回の指名に関する協議には参加しなかった。

メローニ氏は26日のイタリア議会で、欧州の有権者がEUに対し「これまで歩んできた道とは異なる道を歩む」よう求めたではないか、と怒りを表明。

特定の人物を名指しせずに、「市民が特定の決定を下すのに十分成熟していないと主張する人々や、寡頭政治が本質的に唯一受け入れられる民主主義の形だと(信じる)人々」を批判した。

(英語記事 Von der Leyen nominated to stay on in top EU job

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/cxe2y387nv2o


新着記事

»もっと見る