2024年11月21日(木)

JAPANESE, BE AMBITIOUS!米国から親愛なる日本へ

2024年7月22日

 ウェイモは2009年より米グーグルが開発を始め実用化したもの。現在はグーグルの親会社であるアルファベット傘下の自動運転開発企業である。21年、サンフランシスコで限定された利用者向けに自動運転サービスが開始され、現在はフェニックスやロサンゼルスでも走行している。

自動運転サービスは全米に着実に広がる

 各種報道によれば、6月25日には、サンフランシスコで一般市民向けにも開放されたとの発表があったばかりだ。

 これまで、走行中の風景や車内の様子はニュースやユーチューブなどでも見たことがあったが、見るのと乗るのとでは大違い。今回、10分ほどの乗車体験であったが、その完成度の高さに衝撃を覚えたとともに、安全性、利便性を実感することができた。サンフランシスコ市内でこれだけ普及しているのを見ると、市民や行政の反応は前向きのようだ。

日本での浸透はあるのか?

 周知のとおり、日本では、タクシー運転手の人手不足が深刻である。特に地方では次世代の交通インフラとして、自動運転タクシーには期待が集まっている。それだけでなく、将来的に自家用車でも完全自動運転が可能になれば、そのインパクトは計り知れない。

 取材班は西海岸を移動中、何度も大渋滞に遭い、フリーウェイでは猛スピードで走行する車にヒヤヒヤさせられた。こうしたことから解放されれば、移動時間はもっと価値あるものになるはずだ。

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Wedge 2024年8月号より
JAPANESE, BE AMBITIOUS! 米国から親愛なる日本へ
JAPANESE, BE AMBITIOUS! 米国から親愛なる日本へ

コロナ禍が明けて以降、米国社会で活躍し、一時帰国した日本人にお会いする機会が増える中、決まって言われることがあった。 それは「アメリカのことは日本の報道だけでは分かりません」、「アメリカで起こっていることを皆さんの目で直接見てください」ということだ。 小誌取材班は今回、5年ぶりに米国横断取材を行い、20人以上の日本人、米国の大学で教鞭を執る研究者らに取材する機会を得た。 大学の研究者の見解に共通していたのは「日本社会、企業、日本人にはそれぞれ強みがあり、それを簡単に捨て去るべきではない」、「米国流がすべてではない」ということであった。 確かに、米国は魅力的な国であり、世界の人々を引き付ける力がある。かつて司馬遼太郎は『アメリカ素描』(新潮文庫)の中で、「諸民族の多様な感覚群がアメリカ国内において幾層もの濾過装置を経て(中略)そこで認められた価値が、そのまま多民族の地球上に普及する」と述べた。多民族国家の中で磨かれたものは、多くの市民権を得て、世界中に広まるということだ――


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