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アメリカのドナルド・トランプ前大統領の暗殺未遂事件をめぐり、シークレットサービス(大統領警護隊)のキム・チートル長官が23日、警備上の失敗を理由に辞任した。
チートル氏は職員に宛てた辞表で、「長官として、警備の不備の全責任を負う」とした。
チートル氏は22日、連邦議会下院の監視・説明責任委員会の公聴会に出席。事件に関する質問に答えるのを拒む場面もあった。
民主、共和の両党の議員は不満を募らせ、相次ぎ辞任を要求した。チートル氏は警備で不備があったことの責任は取るとしたが、辞任要求ははねつけていた。
この日の辞表の中でチートル氏は、常に「シークレットサービスのニーズを最優先にしてきた」とし、「重い気持ちで」決断したと説明。「重要な使命のために皆さん一人ひとりがしている素晴らしい仕事が、私の辞任を求める声で邪魔されてほしくない」とした。
チートル氏は2022年にジョー・バイデン大統領によって長官に任命され、現職や元職の大統領や政府高官の警護を指揮してきた。長官就任前は27年間、シークレットサービスでさまざまな職務に就いていた。
トランプ前大統領は政権を批判
チートル氏の辞任を受け、バイデン氏は声明を発表。チートル氏の数十年にわたる公務への感謝を述べた。
「7月13日に起きたことの真相を究明する独立調査が続いており、その結論をみることを待ち望んでいる。誰もが、あの日起きたことが二度と起きてはならないと分かっている」
バイデン氏はまた、近いうちに新たな長官を任命するとした。
こうしたなか、アレハンドロ・マヨルカス国土安全保障長官は、当面の長官代行としてロナルド・ロウ氏を任命した。同氏はシークレットサービスで24年間の働いており、昨年4月から副長官を務めている。
一方、トランプ前大統領は23日、自身のソーシャルメディアに、「バイデン/ハリス政権は私を適切に警護しなかった。そして私は民主主義のために弾丸を受けることを余儀なくされた」と投稿した。
共和党のマイク・ジョンソン下院議長は、チートル氏の辞任を「遅きに失した」としながらも、「彼女が正しいことをしたことは喜ばしい」と記者団に述べた。また、「私たちは困難な状況を修復し、シークレットサービスに対する米国民の信頼と信用を再構築しなくてはならない」とした。
(英語記事 US Secret Service boss resigns over Trump shooting failures)