昨今、グローバリゼーションとダイバーシティの観点から世界のさまざまな文化が注目を浴び、日本ならではの文化や風習なども諸外国から注目されています。
国内産業の問題を提起する人気記事の中から、<日本流の長所と課題>をテーマにした6本を編集部が厳選してお届けします。
<目次>
1:【安全で衛生的で自然豊かな日本】世界一の観光ランキングを活かす三つのヒントとは(2023年5月15日)
2:<ChatGPTに原子炉並みの水が必要>世界的な水資源枯渇危機に日本流リスク管理法を(2023年8月22日)
3:<日本流教育制度の弱点とは>大量生産事業にさらば いま必要なのは博士人材によるイノベーション(2023年1月25日)
4:<“悪魔の弁護人”を恐れるな>日本がイノベーティブなダイバーシティ社会になるための対話法とは(2023年2月23日)
5:【インバウンド市場必見】日本食人気で料理の注文に変化 中国で“おまかせ”が大ブーム!(2023年4月6日)
6:【日本流カルチャーはどのように生まれたか】戦後日本文化が成熟した鍵は“異文化への憧れ”(2009年10月7日)
1:【安全で衛生的で自然豊かな日本】世界一の観光ランキングを活かす三つのヒントとは(2023年5月15日)
新型コロナウイルスによる規制が緩やかになったこのゴールデンウイークは、スイスのジュネーブへ、世界中の有力企業のトップ、国家元首クラスの政治家、アカデミックのオピニオンリーダーが集う世界経済フォーラムの「グロースサミット2023」に出席してきた。久々に世界中からの人々が集う国際会議に出席し、会議終了後の出発前に半日ジュネーブの街を散策し、街中に観光客が溢れているのを目の当たりにして、これから日本でもインバウンド観光が力強く盛り上がる可能性を感じた。
日本が現在、世界的に競争力のある分野は限られてきており、世界経済フォーラムの国家競争力調査やその他のランキングで上位に位置するものは少ない。そうした中で久しぶりに日本がNo.1になったのが、世界経済フォーラムが22年5月に出したTravel & Tourism development Index(TTDI)である――。
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2:<ChatGPTに原子炉並みの水が必要>世界的な水資源枯渇危機に日本流リスク管理法を(2023年8月22日)
企業の生産活動に水は欠かせないが、多くの水資源を使用する業種とは何か。経済産業省によると、日本における工業用水の業種別使用割合は、パルプ・紙・紙加工品製造業(27%)、化学工業(22%)、鉄鋼業(14%)だが、近年は莫大な水量を使用する業種が登場している。半導体産業である。半導体は特定の物質を加えて用途ごとの電気的性質を与える。不純物が付着すると性質が変化してしまうため、洗浄に純度の高い水が大量に使われる。
台湾の半導体大手、台湾積体電路製造(TSMC)のCSRレポートによると、2019年には台湾の3つの科学工業団地で、1日当たり合計15万6000トン、20年には同19万3000トンの水を使用した。半導体が高性能化し回路線幅が小さくなると不純物を取り除くための水使用量はさらに増え、次世代チップは1.5倍の水を消費すると予測されている――。
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3:<日本流教育制度の弱点とは>大量生産事業にさらば いま必要なのは博士人材によるイノベーション(2023年1月25日)
イノベーションの創出には博士人材の活躍が欠かせない。日本社会に横たわる課題とその突破口について、東京大学の「天才」たちが〝雑談〟した。
瀧口 今回のテーマは「日本が〝尖った〟人材を活かすには」です。その筆頭が博士人材であり、現在、日本では博士を増やすことが喫緊の課題ともいわれていますが、その背景や理由について、まずは伺っていきたいと思います。
合田 米国が基礎研究を行い、それを基に日本が大量生産をする、というのが昭和日本の産業構造でした。その中で求められていたのは、博士人材というよりも、「ミスをしない均一な人材」でした。大学の役割も、海外の学問を日本の社会や産業に合わせて翻訳することでした。
しかし大量生産の担い手の座は中国や東南アジアなど、新興国に奪われました。日本の産業にはイノベーションと、イノベーションを生み出せる博士人材が必要です。これからの日本はアイデアを翻訳するのではなく、アイデアを生み出す側に回る必要があるのです。昭和モデルからはイノベーションは生まれません――。
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天才たちの雑談《アンコール》 さらば昭和モデル 博士人材が活躍できる日本へ
4:<“悪魔の弁護人”を恐れるな>日本がイノベーティブなダイバーシティ社会になるための対話法とは(2023年2月23日)
雑誌『Wedge』2023年2月号では、「日本社会にあえて問う「とんがってる」って悪いこと?」という特集が組まれていた。そこで今回、このテーマに沿って、筆者の専門であるリーダーシップや交渉学的観点から論じてみたいと思う。
「とんがった人材」と聞いてどのようなイメージを持つだろうか。「組織の多数とは異なる意見を持つ人」、「会議で反対意見が多い人」、あるいは、具体的な知人が頭に浮かぶ読者もいるかもしれない。いずれにせよ、肯定的なイメージで捉えた人は少ないのではないだろうか。
このように、ともすれば周りから違和感を持たれる「とんがった」人も、近年、ダイバーシティ(多様性)の重要性が謳われるように、組織にとっては必要な人材であることを改めてここで考えてみたい――。
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5:【インバウンド市場必見】日本食人気で料理の注文に変化 中国で“おまかせ”が大ブーム!(2023年4月6日)
中国ではいま日本料理が大ブームとなっているが、中でも、日本語の「OMAKASE」(おまかせ)という呼び名で料理を注文することが人気となっているという。背景には何があるのだろうか。
筆者は昨年ごろから、中国人のSNSを見ていて、やけに「OMAKASE」(おまかせ)という言葉が飛び交っていることに気がついた。日本語がわからない人もこう書いていたので、気になって上海に住む友人に聞いてみると、日本と同じく、料理人に料理をすべてまかせるという意味で、ここ1~2年、急速に流行り出した言葉、スタイルだという。
その友人によると、「高級日本料理店や高級寿司店で、よく『OMAKASEで』と言って注文する中国人が増えましたね。おまかせなので、金額はいろいろでしょうけれど、自分が知っているのは1000元(約1万9000円)以上ですね。予約のときに『1人1000元くらいのおまかせで』などと伝え、その日のおススメ食材などを使って、自由にメニューを組み立ててもらっているようですよ」という――。
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6:【日本流カルチャーはどのように生まれたか】戦後日本文化が成熟した鍵は“異文化への憧れ”(2009年10月7日)
すばらしい文化との出会いは、その国のイメージをも良くすることがあります。結果、そうしたイメージが、現代の多文化世界における国家間の関係を好ましいことにすることもあるでしょう。
文化人類学者としてアジア諸国をフィールドワークし、タイにおいては僧修行まで経験している青木氏と、日本のポップミュージックに憧れて来日したバラカン氏は、それぞれどのようなきっかけで海外文化に興味をもったのでしょうか? まずは、お二人にその体験を伺いました。
編集部(以下――) おふたりに伺いますが、最初に他国に興味を持ったきっかけはどのようなものだったのでしょうか?
バラカン わたしが生まれたイギリス以外の国に興味を持ったのは、最初はアメリカでした。きっかけは、アメリカの映画だったり、ポピュラー音楽だったり。まさにソフトパワーと言われるものですよね。ただ、当時のアメリカのソフトパワーというのは、軍事力があってこそのソフトパワーでした。戦後のアメリカは、圧倒的な軍事力を持っていたということと、文化の力が一体となって切り離せなかったように思います――。
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