2024年4月22日(月)

Wedge REPORT

2023年5月15日

 新型コロナウイルスによる規制が緩やかになったこのゴールデンウイークは、スイスのジュネーブへ、世界中の有力企業のトップ、国家元首クラスの政治家、アカデミックのオピニオンリーダーが集う世界経済フォーラムの「グロースサミット2023」に出席してきた。久々に世界中からの人々が集う国際会議に出席し、会議終了後の出発前に半日ジュネーブの街を散策し、街中に観光客が溢れているのを目の当たりにして、これから日本でもインバウンド観光が力強く盛り上がる可能性を感じた。

(tawatchaiprakobkit/gettyimages)

日本経済に欠かせない海外資産・資源の活用

 日本が現在、世界的に競争力のある分野は限られてきており、世界経済フォーラムの国家競争力調査やその他のランキングで上位に位置するものは少ない。そうした中で久しぶりに日本がNo.1になったのが、世界経済フォーラムが22年5月に出したTravel & Tourism development Index(TTDI)である。

 筆者は早稲田大学のビジネススクールにおいて、企業幹部向けの〝エグゼクティブプログラム〟を担当することが多く、さまざまな大手日本企業の幹部や候補生とその企業の将来戦略を議論し、世界各国への展開案を議論してきた。そこで発見したことは、人口減少と少子高齢化が進む中、日本で内需を中心に成長できる産業が極めて少ないことである。

 日本経済の持続的な発展には海外の資産・資源を活用することが欠かせない。それができる一つの方法がインバウンドである。そして世界経済フォーラムのTTDI調査によれば、日本は世界で最も観光競争力の潜在性が高い国なのである。

 今回のTTDI世界1位について、日本でも報道され話題になったものの、一部では「単純に円安のおかげである」などとの誤解がある。筆者はこのTTDIの日本パートの調査を担当しているが、各項目はよく考えられていると感じている。ここでTTDIを適切に理解し、それを今後の観光戦略に生かしていただくために概説しておきたい。


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