新型コロナウイルスの水際対策が10月11日に大幅に緩和されてから、訪日する台湾人が激増している。観光局(JINTO)のまとめだと10月の訪日台湾人は3万5000人で、昨年10月の実に82倍。今年9月に比べても5.3倍。水際対策の緩和を待ちかねたように押し寄せた。ただ、コロナ流行前の19年10月には41万3701人が訪れており、今後の一層の急増が見込まれる。
台湾人はコロナ終息とともに日本を訪れることを切望していた。アウンコンサルティング(東京)が6月に発表した「世界12カ国の親日度調査」によると、「コロナ終息とともに日本に行きたいか」との問いに対し、台湾人は「すごく行きたい」が27.9%、「行きたい」が48%で、2つの答えを合わせた割合は12カ国中で首位だった。
ただこの調査で、「日本にはいつ頃いきたいか」との問いに、「入国規制が緩和したらすぐ」と答えた台湾人の割合は14.5%で、12カ国中9位とかなり慎重だった。しかし、実際に水際対策が緩和されると、10月に日本を訪れた外国人の中では、韓国(12万2900人)、米国(5万3200人)、香港(3万6200人)に次ぐ多さとなった。
台湾の大手旅行会社、ライオングループ(雄獅)のPR会社「JWIマーケティング」が今年5月25日から6月10日に行った、「コロナ解禁後に行きたい旅行先」についてのアンケート調査でも日本が第1位。コロナ前から人気の4泊5日間のツアー以外に、約10日間の長期間の滞在を楽しみたい意見も多かった。
年々高まる日本好き
台湾人の日本旅行がなぜこんなに人気なのか。まず、無類の日本好きが背景にありそうだ。台湾人の親日度は年々増していて、日本の対台湾窓口機関の日本台湾交流協会が行った2021年度の対日世論調査によると、「台湾を除き、最も好きな国(地域)」は、日本が60%で過去最高となり、2位の中国の5%、米国の4%を大きく引き離した。この割合は12年度以降、毎年増えている。
「今後台湾が、最も親しくすべき国(地域)」との問いでも、日本が46%で首位。2位の米国の24%をはるかに上回った。中国は15%で、18年度の2位の31%から3位に後退し、米国と逆転した。
アウンコンサルティングの調査でも、「日本が好きですか」の問いに、台湾人は「大好き」が63.4%で香港人と並び首位。「好き」は32.8%で、両者を加えると12カ国中首位。「大嫌い」の割合は1%で最下位だった。なおこの調査で、「大好き」と「好き」を加えた場合、2位はインドネシアで、東南アジア諸国でも日本人気は高い。