2024年7月23日(火)

BBC News

2024年7月23日

欧州連合(EU)は22日、次回の外相・国防相会合を主催する権利を、ハンガリーから剥奪した。ウクライナ戦争に対するハンガリーの姿勢を問題視している。

ハンガリーは今月から、持ち回りの欧州理事会の議長国に就任している。通常であれば、ハンガリーがこれらの会合を主催することになる。しかし、同国のオルバン・ヴィクトル首相がロシアを訪問し、ウラジーミル・プーチン大統領と会談したことで、EU内から怒りの声が上がっていた。

欧州委員会のジョゼップ・ボレル外務・安全保障政策上級代表は、ハンガリーの行動には結果が伴うべきであり、「象徴的なものだとしても、我々はシグナルを送らなければならない」と述べた。

ハンガリーはこれに対し、「まったく子供じみた動き」と評した。

EU加盟国の外相と国防相は半年に一度、新しいEU理事会議長国の下で非公式会合を開き、EUが直面する世界的な問題について話し合う。

次回の会議は、8月28~30日にハンガリー・ブダペストで開催される予定だったが、ボレル氏は22日、代わりにベルギー・ブリュッセルで開催すると発表した。

ボレル氏は、オルバン氏がプーチン氏との会談後に、EUの「戦争推進政策」を非難した発言を引き合いに出し、「戦争政策について話したいなら、プーチンについて話せばいい」と記者団に語った。

「私が言えるのは、ひとつの例外を除いて、すべての加盟国がこの行動に対して非常に批判的だということだ」

「次回の外相・国防相会談をブリュッセルで行うと呼びかけたのは(中略)この気持ちを示すのに適切だったと私は思う」

EU加盟27カ国のうち、この問題についてハンガリーを支持しているのはスロヴァキアだけだ。

今回の決定を受け、ハンガリーのシーヤールトー・ペテル外相は 「EUはなんと素晴らしい回答を導き出したことだろう」とフェイスブックに投稿した

「誰の気持ちも傷つけたくはないが、まるで幼稚園にいるような気分だ」

プーチン氏とオルバン氏の会談は、ハンガリーがEU理事会議長国に就任した数日後に開始された、同氏が言うところの「平和ミッション」の一環として行われた。オルバン氏はまた、ウクライナと中国の首脳に加え、ドナルド・トランプ前米大統領を訪問した。

欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長はこの歴訪について、「融和作戦以外の何ものでもない」と述べた。

フィンランドのペッテリ・オルポ首相は、オルバン氏には「EUを代表して交渉や協議を行う権限はない」と述べた。スウェーデンのウルフ・クリステション首相は、この訪問は「外部に誤ったシグナルを送るものであり、ウクライナの人々の自由のための戦いに対する侮辱だ」と述べた。

2022年にロシアがウクライナへの全面侵攻を開始して以来、ハンガリーはこの戦争に対する適切な対応について、EUの他の大半の国々と対立してきた。

侵攻開始からわずか数カ月後の2022年4月に4選を果たしたオルバン氏は、自分が任期中に「戦わなければならない」相手として、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領を挙げた。

昨年には、EUからウクライナへの500億ユーロ(約8兆5000億円)の非軍事的資金援助を先延ばしするため、拒否権を繰り返し行使した。

(英語記事 Hungary stripped of EU meeting over Ukraine stance

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/c2x081jynx7o


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