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フランスで、26日に開幕するパリ・オリンピック(五輪)期間中の「不安定化」を企てた疑いでロシア人の男性が逮捕されたことが、23日までに明らかになった。
地元メディアによると、21日に40歳の男性が逮捕され、「フランスでの敵対行為を駆り立てることを目的に外国勢力に情報」を渡した可能性について、捜査が開始された。
この企てはテロ攻撃のためのものではないとみられている。
五輪の開会式は26日、パリ中心部で行われる。
検察当局は仏内務省の要請を受け、パリ市内の男性のアパートを家宅捜索したと説明した。
地元紙ル・パリジャンはこの捜査に詳しい情報筋の話として、男性が五輪開催中にフランスを不安定化させるための「親ロシア派の作戦」を準備していたことを示唆する証拠を、捜査官が発見したと報じた。
別の情報筋は、男性が企てたとされる計画は「大規模なプロジェクト」で、「深刻な」結果をもたらす可能性があったとしている。
対テロではなく、対スパイ活動の専門家によって捜査が進められていること以外は、詳細は明らかにされていない。
男性は23日夕に起訴され、公判前勾留されている。
有罪となれば最長30年の禁錮刑が言い渡されると報じられている。
ジェラルド・ダルマナン内相は今週、当局が五輪に先立ち、選手やコーチ、ジャーナリスト、ボランティア、警備員、会場周辺の地元住民など100万人以上のスクリーニングを行ったと述べていた。
このうち4360人が大会へのアクセスを拒否され、880人が外国の干渉につながる疑いで排除されたと、ダルマナン氏に近い情報筋はAFP通信に述べた。
ダルマナン氏は、「我々は、スパイ活動やサイバー攻撃、フランスやフランス国民についての批判や場合によってはうそに、スポーツが利用されないようにするためにここにいる」と述べた。
外国勢力が仏国内の分断狙う?
フランスではここ数カ月、特にウクライナ侵攻やガザ戦争をめぐり、外国勢力が
国内の分断を利用したりあおろうとしたりしているとの疑念を抱かせる事案が多数起きている。
6月にはパリのエッフェル塔近くで、フランス国旗がかけられ、「ウクライナのフランス兵」と書かれた五つの棺(ひつぎ)が置かれているのが見つかった。
後に逮捕されたブルガリア人、ウクライナ人、ドイツ人の3人は、金銭と引き換えに棺を運んだと警察に話した。
仏情報当局は、この事件の背後にはロシアがいるとの見方を示した。
5月には、パリの第2次世界大戦中のユダヤ人などの大虐殺(ホロコースト)の犠牲者を追悼する「ショア記念館」に、赤い塗料で手形が描かれているのが見つかった。警察は犯人が海外に逃亡したと考えている。
イスラム組織ハマスのイスラエル南部襲撃と、その報復としてイスラエルが仕掛けたガザ地区での戦闘から数週間後の昨年10月には、パリとその近郊で、ユダヤ人を象徴する「ダビデの星」の落書きが相次いで見つかった。スプレーを使った「ダビデの星」の落書きは合わせて250個ほど確認された。
この事件ではモルドヴァ人のカップルが逮捕された。2人はロシアの情報機関から金銭を受け取っていたと、仏当局は見ている。
(英語記事 Russian arrested over alleged plot to 'destabilise' Paris Olympics)