2024年8月13日(火)

BBC News

2024年8月13日

ロンドンの繁華街で観光客にも人気のレスター・スクエアで12日、男が11歳の少女を刃物で刺した。女の子は重傷という。近くにいた店舗警備員たちが割って入り男を取り押さえ、女の子に応急処置を施したとされる。

ロンドン警視庁は13日午前、住所不定のヨアン・ピナトル容疑者(32)を、殺人未遂と刃物不法所持の罪で訴追したと発表した。共犯は探していないという。被害者と容疑者は面識がなかったもよう。現時点では、テロ関連の事件として捜査していないと警察は説明している。

警察によると、少女のけがは「重傷」で病院での治療を必要としたものの、命に別状はない。事件発生当初、少女と一緒にいた母親も刺されて負傷したものと思われていたが、母親は無傷だという。娘の血が母親についていたことから、誤解された様子。

ロンドン救急サービスは、現地時間12日午前11時36分に刃物による事件の通報があり、ただちに救急車と救急隊を派遣したと発表した。

レスター・スクエアは多くの映画館や飲食店などが集まり、ロンドンでも有数の人気スポット。

広場にある紅茶専門店「TWGティー」の警備員、アブドゥラさん(29)はBBCの取材に対し、母娘を刃物で襲っていた男を制止し、同僚たちの協力を得て女の子に応急処置を施したのだと話した。

アブドゥラさんは「悲鳴」が聞こえたため、「外に出たら、ナイフを持った男が1人いた。それを見た瞬間、男にとびかかって手をつかんだ(中略)地面に押さえつけて、男が手にしていたナイフを蹴飛ばした」のだとBBCに話した。

周りにいた複数の男性の協力を得て、男を「4~5分」押さえつけていたとアブドゥラさんは言い、「時間がなくて考える余裕もなかった」ため、すぐさま行動に出たのだと話した。

「本当にひどかった。あんなのは初めて見た。子供にあんなことをするなんて、ひどい。子供が刺されるのを見たので、助けようとしただけだ。助けるのは、自分の義務だった」とアブドゥラさんは説明した。

現場を目撃したジャクリーンさんという女性は、「大きい悲鳴」を耳にして駆け寄ったところ「恐ろしい」光景を目にしたとBBCに話した。

「母親と地面に倒れている女の子がいて(中略)何人かの男の人たちが、男を押さえつけていた」、「あっという間のことだった。警察が来て、続いて救急車が来た。血がたくさん流れていたのが見えた」と、ジャクリーンさんは述べた。

「ここはいつもいる場所なので、怖い。いつどこで何が起きるかわからなくて、どこにいるかなんて寒けない」とジャクリーンさんは言い、「ここは観光名所なので、いつもは警察が大勢いる」のだと説明した。

広場で映画「スター・ウォーズ」のダースベイダーに「毎日」扮しているデズモンドさん(45)は、襲われる前にも母親と娘は一緒にいたと述べ、「ひどかった。あんなの見たことがない。つらすぎた。女の人は全力で叫んでいた」と話した。

事件現場の向かい側で働く男性は匿名を希望したうえで、容疑者の姿は事件前にも目にしていたと話した。

「ただ立っていた。何もしないで、何か食べていた」のだという。

(英語記事 Man charged after girl stabbed in Leicester Square / Girl stabbed in central London

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/c3d950y87y4o


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