2024年12月23日(月)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2014年1月14日

 キャメロン首相は訪中で、チベットを含む人権問題には踏み込まず、防空識別圏問題については、中国政府関係者によると、李克強首相が設置した理由を説明し、キャメロン首相は理解を示したと言います。中国政府関係者の言が正しいとすると、中国は1カ国ずつ防空識別圏について中国の立場に対する支持を得ようと試みているようで、日本としては見過ごせません。

 欧州が戦争と平和の厄介な問題は米国に任せようとしているという論説の指摘は正しいのでしょう。特に、冷戦でソ連が崩壊した後、欧州にとって安全保障問題は最大の関心事ではなくなり、また、現在、ユーロ圏を中心とする金融・財政危機の最中では、経済問題の解決が優先されがちです。

 論説は、欧州は中国が今後どのような対外政策をとるかについて、一家言持つべきであると言っていますが、欧州諸国が自国、そして地域の経済・金融の困難と取り組むのに精一杯な今、このような助言に耳を傾ける余裕はないのではないでしょうか。

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