13年10月末の時点で世界では200種以上の漁業がMSC認証を受け、2万1798の製品にMSCラベルが貼られている。マクドナルドでは、欧米41カ国2万1000以上の店舗で販売されるすべてのフィレオフィッシュがMSC認証を受けており、米ウォルマートで販売される天然水産物製品の69%が認証(または審査中)を受けている。「MSCラベルが貼られている製品を買う」(アメリカ在住者)という消費者の行動に繋がっており、乱獲漁業の減少に役立っている。一方、日本のMSC認証漁業は3つしかない。
MSCは寄付やロゴ使用ライセンス料により運営されており、大口スポンサーである「デビッド&ルシル・パッカード財団」(ヒューレット・パッカード創業者の個人財団)は、水産資源保護などを目的に、欧米を舞台に活動してきたが、今年から日本での活動を本格化させる。「資源保護はボトムアップが重要。下からの声で上を動かす。消費者の意識を変える活動に投資する予定」(担当のリサ・モンゾーン氏)
13年10月には壱岐の漁師が「壱岐市マグロ資源を考える会」を、11月には土佐料理屋「祢保希(ねぼけ)」の竹内太一社長、三重大学の勝川俊雄准教授らが「海の幸を未来に残す会」を立ち上げた。ともに消費者意識の変革に取り組んでおり、資源保護に向けた活動が活発化している。
昨年12月、2016年リオデジャネイロ五輪組織委員会は、選手、職員などに供給されるすべての水産物をMSC、ASC(MSCの養殖版)認証を受けたものにすると発表した。6年後の東京五輪開催時、日本はどうなっているのだろうか。
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