激戦7州を巡る攻防
トランプとハリスは、激戦7州をどのようにして獲得しようとしているのか。
トランプは、共和党が強い赤い州(赤は同党のカラー)に加えて、激戦7州の内、ジョージア州とノースカロライナ州の2州をとれば、ハリスに王手をかけることができる。赤い州とこの2州の選挙人の合計に、ペンシルベニア州の選挙人19を加えると、過半数の選挙人270になるからだ。
仮にそうなれば、アリゾナ州とネバダ州の勝敗は関係ないことになる。おそらくトランプは、この最短距離の「勝ちパターン」を最優先にしている。
一方、ハリスは民主党が強い青い州(青は同党のカラー)に、中西部ネブラスカ州第2選挙区の選挙人「1」(通称ブルー・ドット)と、ウィスコンシン州およびミシガン州をとれば、トランプに王手をかけることになる。それらの州の選挙人にペンシルベニア州の選挙人19を足すと、こちらも選挙人の合計が270になり、勝利するからだ。ハリスが最も重視しているのが、この「勝ちパターン」だ。
ということは、トランプとハリスの勝敗の鍵を握る共通の州はペンシルベニア州になり、同州が決定的な結果をもたらす可能性が高くなる。ハリスとトランプは選挙戦最後の演説をペンシルベニア州で行うかもしれない。
ハリスがノースカロライナかジョージアのどちらかの州で勝利すれば、流れはハリスに傾く。というのは、彼女に選択肢が生まれるからだ。ペンシルベニア州を落としても、ノースカロライナ州とネバダ州ないし、ジョージア州とネバダ州の組み合わせで補える。それぞれの選挙人の合計が22(16+6)になり、ペンシルベニア州の選挙人19を上回るからだ。
もちろん、ノースカロライナ州とアリゾナ州ないしジョージア州とアリゾナ州の組み合わせもあるのだが、目下のところ、ハリスはアリゾナ州よりもネバダ州で勝つ可能性が高い。
いずれにしても、トランプはジョージア州、ノースカロライナ州とペンシルベニア州、一方、ハリスはウィスコンシン州、ミシガン州とペンシルベニア州を獲得できるかが勝利の鍵となると言える。