先週、彼の政権は中露を含む主要台頭経済圏の集まりであるBRICSへの加盟意思を表明した。7月にプーチンと会談した後の声明で、プラボウォは、ロシアは重要な友人だと述べ、ロシアと一層深い関係構築を進めている。
プラボウォは米、中、露の間でバランスを取ろうとしているようだ。ロシアとの共同訓練は、インドネシアはどの大国とも同調しないということを示す新政権の戦略の一部だ。
海軍訓練はインドネシアよりはロシアに取り有益だ。ロシアは、ウクライナ侵攻にも関わらず孤立していない、と主張できるし、地域におけるプレゼンスを示すこともできる。そして、最終的には、ロシアが地域紛争において中国と北朝鮮と協働する能力を高めるかもしれない。
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日本が主導すべき時
米国大統領選挙でトランプが「圧勝」したが、選挙結果にかかわらず変わらないのは、米国が「力」から見ればいまだ世界の唯一の超大国であるにもかかわらず、国際紛争に関与し解決する「意思」が萎えていることだ。そのような中で、日本を含む米国の同盟国・同志国は、紛争解決の「コスト」だけでなく紛争解決実現という「挑戦」自体をシェアする必要がある。
紛争解決は通常関係者全員を不満にさせるので、紛争解決をする者はその不満に耐える力を持っている必要があるが、挑戦をシェアする意思と能力のある日欧諸国はいまだ慣れていない。従って、紛争解決策に対する国際社会の支持は多ければ多いほど良い。だからグローバル・サウスの支持をできるだけ多く得て、多数派を形成する必要がある。
トランプ次期大統領は、国際紛争積極関与派でないだけでなく、米軍を海外で使用することに対して極端に慎重で(臆病と言っても良いだろう)、基本は同盟関係を重視しない。そのことをイランや北朝鮮といった「ならず者国家」はよく知っている。
また、米国第一主義を必要以上に強調するので、敵を作るのは上手でも味方を作る能力は相当限られている。だからグローバル・サウスの支持を得る努力は、日本が主導するくらいのつもりでやらなければならない。これが大統領選挙の結果が日本にとって意味する最重要の点だと思われる。