2025年4月27日(日)

お花畑の農業論にモノ申す

2024年12月13日

 マレーシアは面積約33万平方キロメートルで、日本とほぼ同じ大きさ(外務省ホームページ)。約3350万人が暮らしている。民族はマレー系約70%、中華系約23%、インド系約7%と多民族で、その人口構成が食の多様性につながっている(ともに23年マレーシア統計局)。

 言語は、マレー語(国語)、中国語、タミール語のほか、高等教育が英語で行われている。宗教は、イスラム教(連邦の宗教)64%、仏教19%、キリスト教9%、ヒンドゥー教6%、その他2%と多宗教(23年マレーシア統計局)で、街を歩くとイスラム教徒の女性が頭部を覆う「ヒジャブ」が目立つ。

 なお、在留邦人数(外務省・海外在留邦人数調査統計)は、2万657人(23年)で、シンガポールの約3万人より1万人ほど少ない。

 マレーシアの料理には、長粒種のインディカ米が使われている。ジャポニカ米と違い、パサパサとしており、粘りがない。数日滞在するとこの長粒種に慣れてくるから不思議である。マレーシアは10月上旬でも暑く、突然のスコールがあり、長粒種は、この蒸し暑い気候に合っているからかもしれない。この環境に日本産米は合うのだろうか、と感じてしまう。

日本通でも「家では食べない」

 今回、生鮮食品売り場へは、コンビニエンスストアから大型スーパーマーケットまで数軒訪問した。カルフォルニア米や台湾産「コシヒカリ」、ベトナム産「あきたこまち」などのジャポニカ米らしきものはあったが、日本産米は筆者が訪れた店には置いてなかったようだ(UFM Tradingホームページ)。

クアラルンプール中心街の地元コンビニ(KKスーパーマート)

 なぜ、スーパーマーケットなどで日本産米を見かけなかったのか?マレーシア農業省の方々と食事をした際に、「自宅で日本産米を食べるか」と聞いてみると、「外食した時に日本食を食べるが、自宅では日本産米は調理しない」という返事だった。その中の一人は日本に研修で来た際に、複数の寿司店を訪ねたほどの日本通であるにもかかわらずだ。

 約2万人の在留邦人がいるものの、小売店が市場の大きくない日本産米を優先しないのもうなずける。ただし、他国のジャポニカ米が現地のスーパーマーケット等に置いてあるのは、価格面などが影響してそうだ。


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