「最近、日本からの売り込みがすごい」とシンガポールのバイヤーさんから打ち明けられた。シンガポールでの日本農産物の売り込みが多く、シンガポール市場でたとえばコメの産地間の競争も激しくなっているそうだ。
今年1月にシンガポールを訪れ、「シンガポールで人気!日本の農産物が海外で勝つ秘訣」にて、農産物輸出の可能性を書かせていただいてから半年以上が経過した。
水産物の禁輸措置をとっている中国以外は好調と言われている日本農産物輸出。11月にシンガポールで見聞した消費の現場は日本で言われていることと少し違った光景に思えた。その現場をリポートしたい。
確かに起きている日本食ブーム
シンガポールの街を歩くと日本食レストランが多いのに気が付く。寿司屋やラーメン店に留まらず、焼き肉レストランも人気だ。
東京で言えば銀座に似ているオーチャード通りにある日本のラーメンチェーン店には、夕方の食事時ということもあってか、10人以上の入店待ちの行列が出来ていた。1杯2000円程度と日本人にとって安くはないが、円安のため、シンガポールの方々には1500円ぐらいの感覚のようだ。
ここで、シンガポールとはどのような国か、改めて復習しておきたい。外務省のホームページによれば、以下の通りである。
・面積は、約720平方キロメートルで東京23区よりやや大きい。
・約564万人(うちシンガポール人・永住者は407万人)(2022年)
・中華系74%、マレー系14%、インド系9%(22年)
・言語 国語はマレー語。公用語として英語、中国語、マレー語、タミール語
・在留邦人 約3万6000人
共稼ぎの多いシンガポールの世帯平均所得は日本の約2倍と世界でもトップレベルと言われるので、外食として「ラーメン1杯2000円」は適切な価格なのだろう。