「日本のお米が美味しいのはみんな知っています」とシンガポールの日系スーパーで現地スタッフから声をかけられた。2023年の年明け早々、3年ぶりに、シンガポールを訪問し、日本企業の飲食店が活況を呈し、日本産農産物などがシンガポール消費者に人気であるのを目の当たりにした。農林水産物・食品の輸出額が22年は過去最高を記録し、25年に2兆円、30年に5兆円を掲げる日本にとって重要な課題が見て取れた。
変わってきた世界にとっての「ジャパンブランド」
シンガポールは、丁度東京都23区の山手線の内側の地域に似ていると言われる。広さは23区内面積に近いが、人口は550万人ほどで1人当たりの所得は日本人とほぼ変わらないものの、高所得層が多く、1人当たりの国内総生産(GDP)は2倍近いと言われている。
街の象徴とも言えるオーチャード通りは銀座や青山などのようだし、マーライオン公園は、東京のお台場や豊洲などを連想させる。オーチャード通りから少し離れ、日系スーパーマーケットがある「グレートワールド」はアークヒルズを思わせる。
そのようなショッピングモールには、必ずと言っていいほど、日本食レストランがある。華僑が多く、中華レストランが目立つシンガポールでも、寿司やラーメンなどの日本食レストランは人気が高いようで、多くのシンガポールの人たちが利用している。また、最近は、ドンキホーテの海外版「ドンドンドンキ」も人気で、とくに焼き芋やイチゴなどは人気が高いという。
スーパーマーケットに入っても、日本のお菓子専門コーナーが設置されている。日本の食品は人気があるようだ。