また人的交流という意味では、北朝鮮はコロナ対策として20年1月から国境を封鎖していたところ、24年2月、ロシアに対してはツアー客の受け入れを再開したのに対し、中国客の受け入れは、本年1月になってようやく開始された。
依然として高い北朝鮮の中国依存
今後、露朝間の軍事協力に対して中国自身が(外交部報道官等の公式発言とは別に)懸念を強めていく可能性もあり、その場合には西側が「懇願」しなくても、中国自身が何らかの動きをするであろう。
24年7月に大韓貿易投資振興公社(KOTRA)が発表したデータによると、北朝鮮の貿易における中国への依存度が23年は98.3%になり、22年の96.7%を上回った。上記のように中朝間の牽制が24年に顕在化したことを見ると今後依存度が低下する可能性はあるが、いずれにせよ北朝鮮が貿易面で圧倒的に中国に依存している状況が近い将来において大きく変わることは想定し難い。中国が北朝鮮に対して有するレバレッジは依然として大きいものがある。

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