2025年12月5日(金)

新幹線を支える匠たち

2025年6月1日

進化を続ける自動改札機
それでも変わらないこと

 「戸田さんの経験則、玉井さんのデータ。この2つを突き合わせると、メンテナンスが良い形に仕上がります」

 こう話すのは、玉井さんと同じEX-IC課の竹内雅幸さん(46歳)。改札機メーカーからスカウトされ、現在はプロジェクトマネージャーの任にある。JR東海から「こういうサービスを提供したい」という希望を聞き、メーカーからも「こういう仕様ならできます」という提案を聞いて情報を交通整理し、進捗状況を管理するというなくてはならない存在だ。

「自分が携わったものが世に出て、サービスが開始されたとき」にやりがいを強く感じるという竹内さん。新たな施策が打ち出される裏には、彼らの日々の奮闘がある

 駅の自動改札機は進化を続けている。東海道新幹線ではQRコード対応の自動改札機が導入され、QRチケットをかざすことで乗車できるようになった。また、顔認証技術を使ったタッチレス改札が一部の鉄道会社で始まり、さらにはGPSによる位置情報を元に自動的に乗車駅と降車駅を検知する改札の研究も始まっている。こうなってくると、いずれ自動改札機が不要になる時代がやってくるかもしれない。

 「でも」と、玉井さんが言う。

 「お客様の出入りのチェックは欠かせないので改札業務がなくなることはありません」

 どうすればより快適に、便利に新幹線に乗車できるか。彼らは日々研究を重ねている。

他社で取り扱われている技術や最新のトレンドについては、JR東海とも勉強しているという。どのような形のサービスが新幹線に最適なのか、彼らの研究はこれからも続いていく
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Wedge 2025年6月号より
日本のコンテンツが世界へ羽ばたく時
日本のコンテンツが世界へ羽ばたく時

日本のマンガやアニメに向けられる視線が熱くなっている。世界での熱狂を背に、政府は「新たなクールジャパン戦略」として、コンテンツ産業を中核にすえた〝リブート(再起動)版〟を示した。ただ、人々を魅了するコンテンツはお金をかければ生まれるものではない。今度こそ「基幹産業」として飛躍するために、必要な戦略を探ろう。


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