サンマの主力漁場と黒潮大蛇行
下図はサンマの漁獲海域を示しています。ピンクの海域が公海のサンマ漁場で、青が日本の排他的経済水域(EEZ)の漁場です。サンマは9割以上(97% 24年)がピンクの公海で漁獲されています。
もともとは、青の日本のEEZ内に回遊してきたサンマを日本漁船が全体で8割以上漁獲していました。しかし現在では台湾・中国が漁獲量で日本を追い抜いています。かつては日本近海で漁獲されていても、昨年(24年)の日本漁船のサンマの漁獲量は約7割(74%024年)が公海の漁場です。
上図の下の2つの図を見ると黒潮大蛇行の有無がわかります。今年(25年)5月(左・解消)と3月(右・蛇行中)比較したものです。まず気づいていただきたいのが、黒潮大蛇行が起きていた海域とサンマの主力漁場はとても「遠く離れている」ということです。
スルメイカと黒潮大蛇行
次に下のグラフは、スルメイカの漁獲量推移を示しています。赤い丸印が黒潮大蛇行が発生した期間です。04年に発生した黒潮大蛇行が解消したのちにも、漁獲量が激減していることがわかります。背景には、日本海近くでの中国・韓国漁船の影響が推測されますが、これは後述します。
下図は、スルメイカが冬生まれと秋生まれの2つの資源に分かれていることを示しています。左下の図の冬季発生群をみると、日本の南の海域で生まれたスルメイカは日本海と太平洋の双方に分かれて回遊するようですが、秋季発生群は主に日本海を北上しているようです。